3.債権・債務の承継と債権者保護手続

事業譲渡は個別の資産・負債・契約関係などの売買契約ですので、包括的に権利義務が承継されず、個別の債権、債務ごとに移転手続きが必要になります。
そのため、債権者及び債務者が多数の場合は相当の時間と労力が必要となります。ただし、個別に債権者の同意を得ることが必要なため、債権者保護手続きは不要となります。
また、許認可は承継されないので、事業譲渡の効力発生日までに許認可の取得ができるようにスケジュール調整する必要が出てきます。

それに対して、会社分割は、会社法上の組織再編行為ですので分割会社の権利義務は承継会社に包括的に承継されるため、債権・債務も相手方の同意を得る必要がありません。
しかし、、債権者保護手続きが必要となります。具体的には、債権者が一定期間内に異議を申し立てることができるように所定の事項を官報で公告するとともに、各債権者に個別に催告する必要があります。
ただし、官報公告に加えて、時事に関する事項を日刊新聞紙に掲載する方法、もしくは、電子公告で行う場合は、個別に催告する必要はありません。
債権者が異議を申し立てた場合は、その債権者に債務を弁済するか、相当の担保を提供する等の対応が求められます。
会社分割の許認可については、承継が認められる場合や一定の要件を満たすことを前提に許認可の承継が認められる場合がありますので関連業界への事前確認が必要となります。

4.課税関係

消費税は、事業譲渡には課税されますが、会社分割には課税されません。

事業譲渡は資産・負債等の売買ですので消費税が課税されます。当然ですが、消費税の課税対象となる資産は課税資産のみですので、留意が必要です。

不動産取得税についても、事業譲渡には課税されますが、会社分割には課税されません。不動産を多く保有する事業を他社へ移す時には、事業譲渡の場合は巨額の不動産取得税がかかることになりますので留意が必要です。

本日も【ビズサプリ通信】をお読みいただき、ありがとうございました。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.041 2016.11.18)より転載