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今年の「除夜の鐘」はここで聴け! 年越しを迎えたい寺院3選

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除夜の鐘はどこで聞く?

円通寺…西郷どん率いる新政府軍の弾痕が生々しい「黒門」は必見

円通寺の境内。左手下が旧寛永寺から移設された「黒門」、その奥に彰義隊士の墓所がある。

2018年を代表する男といえば、「西郷(せご)どん」こと西郷隆盛。今年は彼の生誕190年で、明治150年の節目にも当たっていた。明治維新の立役者として根強い国民的な人気があり、NHK大河ドラマ「西郷どん」も放送された。その西郷どんゆかりの寺院が、円通寺(東京都荒川区)だ。

とはいえ、西郷どんの墓があるわけではない。むしろその逆で、増上寺(東京都港区)と並ぶ徳川家の菩提寺だった旧寛永寺(東京都台東区)に立てこもり、慶応4(1868)年5月15日に西郷どん率いる新政府軍と戦った「彰義隊」に従軍した旧幕臣たちの墓がある寺だ。

彰義隊士の遺体は戦場に放置されていたため、円通寺の23世大禅佛磨大和尚が戦場となった旧寛永寺の境内に出向いて供養した。その途中で新政府軍に拘束されたものの、事情を知った新政府から彰義隊士の埋葬を認められる。

横浜港貿易で巨富を得た神田の雑貨商・三河屋幸三郎の支援を受け、彰義隊士266人の遺体は後に西郷隆盛像が建立される場所で荼毘に付され、遺骨は円通寺に埋葬された。円通寺は明治の初めに唯一「賊軍」とされた旧幕臣の法要が公然とできる寺として、生き残った旧幕臣たちの信仰を集めたという。

今も黒門に生々しく残る新政府軍の弾痕

円通寺の見どころは境内に移設された旧寛永寺の黒門。この付近は最も激しい戦闘があった場所で、西郷が指揮する新政府軍の放った弾痕が現在も生々しく残っている。

江戸そして東京で行われた唯一の地上市街戦の記憶を残す史跡であり、除夜の鐘を聞きながら平和のありがたさにもかみしめたい。

最寄り駅の東京メトロ・日比谷線三ノ輪駅から徒歩5分。都電荒川線三ノ輪駅からも近い。

円通寺公式HPはこちら http://www6.plala.or.jp/entsuji/

文:M&A Online編集部

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