「所有から利用へ」モノを介さないサービスが興隆

では、なぜ企業はこぞってサブスクモデルに移行しようとしているのだろうか。

その最大の要因が、インターネットとテクノロジーの隆盛だ。2007年にiPhoneが発売され、スマホの隆盛が始まり、ほとんどの人がスマホを持つようになった。また、クラウドが一般的になり、4Gの誕生により通信速度も飛躍的に速くなったことで、企業は「モノを介さないサービス」を提供できるようになった。

例えば、少し前はCDやそれを再生するコンポがないと音楽を聴けなかったのが、今はスマホとイヤホンがあるだけで気軽に聞くことができる。このような外部環境の変化が、様々なビジネスをサブスクリプション型に移行させることを可能としたのだ。

また、サブスクモデルでは、月額ないし年額の課金制にすることで、顧客が満足し続ける限り永続的にサービスを利用し続けてくれるというメリットがある。さらに、特に変化の激しいテクノロジー分野ではサービスのアップデートやリリースの周期が短期化しているため、例えば、1年半ごとにニューモデルをリリースしていたのでは顧客に常に最新のサービスを提供できないといったデメリットが生じる。

いつでも最新モデルをリリースできる

これがサブスクモデルだと、企業は顧客に製品を買い直してもらう必要がないため、いつでもアップデートをしたりニューモデルをリリースすることが可能となる。アドビ(Adobe)がサブスクビジネスに移行したのも、このような事情が背景にあるとされる。 

「所有から利用へ」が喧伝される中、サブスクリプションへと向かう大きな潮流がある。日本でも先月上場したSansan(名刺管理サービス)や、マネーフォワード(家計アプリ)、ユーザベース(企業情報サービス)などに代用されるように、多方面のサービスにおいてサブスクモデルを導入する企業が増えつつある。このような流れが続けば、私たちの生活のほとんどがサブスクリプションによって成り立つ日もそう遠くないのかもしれない。

文:M&A Online編集部