名刺交換と管理が楽に
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大々的なテレビCMにより万年赤字

同社の売上は順調です。

▼Sansan業績推移

売上高純利益(△は損失)
2018年5月期73億1800万円(51%増)△32億9400万円
2017年5月期48億3400万円(53%増)△6億6700万円
2016年5月期31億5000万円(60%増)△13億6600万円
2015年5月期19億6300万円(61%増)△10億9300万円
2014年5月期12億8900万円△5億8600万円

決算公告をもとに筆者作成

2桁増収の凄まじい成長を続けています。一方、過去5年間で一度も利益は出ていません。それもそのはず。原価率は20%程度と極めて良いのですが、販管費が120%超と絶望的に悪いのです。これはテレビCMによるプロモーション費用が圧迫していると考えられます。

原価率販管費率
2018年5月期20%121%
2017年5月期21%92%
2016年5月期24%119%
2015年5月期25%130%
2014年5月期18%126%

決算公告をもとに筆者作成

同社は2013年ごろから、テレビCMを大々的に使って認知を獲得しています。それによって赤字を垂れ流している状態ですが、裏を返せば販促費を抑えれば簡単に利益が出せるということ。Sansanは調達した資金で種まきをしているのでしょう。上場すれば、過剰な販管費は株主から反感を買うこと必至(ロコンドが好例です)。それを見越した動きです。

Wantedlyが参入した狙いはデータ活用によるビジネスマッチング

同社は調達した資金で欠損填補をし、債務超過をかわしています。2016年5月期からは、損失額と利益剰余金の取り崩し額が等しくなりました。累積赤字が解消された状態です。販管費の調整で赤字を抑え、利益を出すタイミングをうかがっているように見えます。上場準備は着実に進んでいるようです。

名刺管理の最大のライバルがWantedly<3991>です。同社の名刺管理アプリ「Wantedly People」は200万人のユーザーが利用し、5,000万枚の名刺が取り込まれました(同社発表)。この業界は今後の競争が激化すると考えられます。

名刺管理は膨大なビジネスデータが集まります。求人のWantedlyが参入していることからもわかる通り、今後はこのデータをビジネスマッチングにも使えます。このビジネスがどうなっているのか、地層になぞらえて整理しましょう。

  • ①名刺管理→表土
  • ②ビジネスインフラ→地盤
  • ③ビジネスデータ→マグマ

                    

Sansanのビジネスモデルを単なる名刺管理と捉えると、本質が見えてきません。表面的な部分です。では、SNS機能のついたビジネスインフラが本質かというと、まだまだ深部には到達していません。本当の強みは、溜まったデータを活用できる段階に入ってから。国の規制をかわして、マッチングビジネスに参入できたとき、本当の強みが発揮できます。今は、マグマが地下でふつふつと煮えたぎっている状態なのです。

麦とホップ@ビールを飲む理由