経営者が選択すべき4つのポジション

図1:ビジネスモデル 4象限 キャッシュ・ジャーニー・マップ(CJM)

ビジネスモデル4象限 CJM
筆者作成(西澤龍)

まず図の縦軸は、「顧客との関係」を表しています。BtoBであれBtoCであれ、お金を請求する先がエンドユーザーかそうでないか、という分類です。

図の横軸は、「営業キャッシュフローの流れ(タイミング)」を表しています。受託ビジネスは、契約を締結してから役務の提供を始めるため、ここでは「売ってから作る」ビジネスと定義します。対して、自社の製品やサービスを作りこんでから売るビジネスは、「作ってから売る」ビジネスとなります。

「売ってから作る」ビジネスに該当する象限1(個人事業主、フリーランス)、象限2(コンサルビジネス、受託開発型モデル、フリーランス)のビジネスは、入金が比較的早く、かつ契約が締結されているため確実性も高くなります。一方で、「作ってから売る」ビジネスに該当する象限3(プロダクトスタートアップ)、象限4(ギークスタートアップ)のビジネスは、「作ったけど売れない」という大きなリスクがあり、入金も不確実になるため、マーケティングとアジャイルな開発が死活的に重要となります。

この4つの象限の中で、自分はどこで勝負するのか。独立する人や起業する人は、選択を迫られます。そしてもちろん、ひとつの象限にずっと留まるわけではなく、これらの象限をいったり来たりしながら、サバイブと成長を両立させていくことを目指すというのが偽らざる実体と感じます。

ポジションを探す起業家と棲み分けされた支援者

この問題が難しいのは、起業家は4つの象限の中でどこを目指すべきか、常に悩みながらポジションを探し続けるのに対して、各象限での活動を支援するサポーターは、かなり棲み分けがあるという点です。

例えば、第1象限にいるフリーランスに向けたサービスとしては、クラウドソーシングに代表されるようなマッチングサービスがあります。第2象限のような受託/コンサル型の会社は、資金的には完全に自己資金で賄うか、銀行融資で資金繰りをすることが多いでしょう。ごく一部の超実力コンサル会社をのぞき、銀行は重要な支援先でしょう。そしていうまでもなく、第3、4象限のような、プロダクトスタートアップを目指す起業家にとっては、ベンチャーキャピタルが非常に重要な支援者です。

しかし、各象限で起業家をサポートするプレーヤーは、それぞれのポジションにおける自社の事業モデルが存在する(自分たちにとっての正義がある)ため、必ずしも他の象限のプレーヤーと同じアドバイスをするとは限りません。

そのため、起業家からすると、「いろんな人がいろんなことを言うから、なにをどうしたらよいのか、もう僕なにもわかんない。」と悩んでいることがあるように感じます。

実際、次のような話は、創業者界隈では「あるある」でしょう。