西日本鉄道は、北部九州を営業基盤とする九州電気軌道、九州鉄道、博多湾鉄道汽船、福博電車、筑前参宮鉄道の鉄軌道5社が合併して誕生した。この西日本鉄道の成立に至る資本統合の歴史を『西日本鉄道七十年史』『西日本鉄道百年史』などを参考に探ってみる。
鉄道王・堤康次郎が武蔵野鉄道の支配に乗り出した。武蔵野鉄道の大株主となった堤は、配下の者を経営陣として送り込み、武蔵野鉄道の経営再建に乗り出す。ともかくも成功を収めた堤は、前編で述べた「旧西武鉄道」との競合・対立を、合併によって乗り越えた。