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起業の力で伝統工芸をつなぐ cvgストライク賞受賞の金出大和さんに聞く

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「メタバースで若い世代に伝統工芸産業を身近に感じてほしい」と話す金出さん

メタバースで海外からの需要も見込む

-メタバースでは、どのようなコンテンツを公開するのですか?

長崎刺繍をはじめとする伝統工芸品の製作過程を通して、作品の美しさや職人たちの熟練した技を公開したいと考えています。長崎刺繍は「長崎くんち」に代表される地元のお祭りで、傘鉾の垂(幕)や衣装に使われてます。メタバースでも「お祭りの空間」を体験できるようにして、伝統工芸の魅力を伝えたいですね。

-海外からの需要にも期待しているようですね。

長崎刺繍はシーボルトが本国に持ち帰り、ヨーロッパでコレクションとして高く評価されたと言われています。世界的に日本文化への関心が高まっていることに加えて、円安がインバウンド消費を呼び込み、海外の方がお金を出してくれるようになりました。

実際に起業した場合は、売上高の6割程度が海外からの受注になるのではないかと予想しています。もちろん伝統産業を継承するという目的もあるので、国内の顧客を増やして後継者の発掘や育成につなげていきたいと考えています。

-今後の起業に向けた取り組みを教えて下さい。

4月からは東大の公共政策大学院に進学しますが、アイデアをもう少しちゃんと練ろうと思っていて「これなら行ける」と判断したら起業したいですね。

-金出さんのような若い世代で、起業に対する関心が高まっていますね。

起業にはリスクがあり、生活が不安定になる可能性はあります。しかし、すでに終身雇用制度は崩れていて、企業に就職すれば生活が安定するとは言えない状況になっています。だから、自分がやりたいことを自分の思うままに実行できる起業が注目されているのではないでしょうか。

聞き手・文:M&A Online 糸永正行編集委員、撮影:林 莉帆

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