前編では管理職に求められるマネジメントと、業務マネジメントについて解説しました。残り二つのマネジメントについてご説明します。
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・管理職は何をマネジメントするのか?(前編)
2つ目は、「人材のマネジメント」です。「人材マネジメント」というと、漠然としすぎていますが、具体的には以下の3点です。
・部下の育成を行うこと
・部下の評価、査定を適切に行うこと
・部下のモチベーションを保つこと
部下の育成と評価、査定についてのポイントは、「業務目標」と「能力開発目標」を設定し、そのプロセスを月次でフォローしていくことです。つまり、個人目標の「PDCA」を行うことです。これは前述の業務マネジメントとほとんど変わりありません。目標管理の目的は、上司の視点からは「部下の人材育成」になりますが、部下本人の視点に立てば、「成長実感」を持つことと言えます。目標達成に向けて努力することが、成長をもたらします。
目標のないところに成長もありません。部下本人が成長実感を持つことができるか否かは、本人のパフォーマンス、モチベーションに大きく影響を及ぼしますので、要注意です。部下のモチベーションを維持することは、様々な要素が絡んでいるため、一筋縄にはいきません。そのポイントは、「日頃、部下をよく見ること」に尽きます。
・常に部下の表情、顔色、言動に気を配り、アンテナを張っておくこと
・上司があまり気難しい表情はしないこと、オープンな態度でいること
・目標管理をきちんと行い、自分の評価は明確に伝えること
・部下の強み、弱み、性格をきちんと把握すること (人を見る眼力を養うこと)
・大勢に影響のない部下の失敗は大目に見てやること (逆の場合は、きちんと叱ること)
・成果を出した部下にはきちんと報いること
3つ目は、「リスクマネジメント」です。管理職は、普段の業務が忙しいがゆえに、リスクマネジメントをなおざりにしがちですが、常にリスクを念頭に置きながら業務を遂行しなければなりません。リスクを考えられない人は管理職になってはいけません。リスクマネジメントは以下の点がポイントになります。
・業務の中でのリスクを洗い出すこと
・リスク、トラブルが発生したら、マネジャー自らが解決に当たること(逃げないこと)
・悪い情報ほど早く伝えることを部下に徹底すること(人に迷惑をかけたくないという思いで、自分だけで解決しようとする人がいるが、正しい問題解決手段としては全く逆)
以上3つのマネジメントについて述べてきましたが、マネジメントの要諦はさほど難しくないと感じられたのではないでしょうか。言葉で書かれたことを「認識」することは簡単ですが、それをきちんと「理解」し、自分の体の中に「血肉化」することは簡単なことではありません。そのためには、当たり前のことを繰り返すこと以外にはありません。
株式会社インソース より
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