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キャリアデザインを多面的視点で描く~マネーとワーク・ライフのキャリア(中編)

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それでは、具体的にキャリアデザインを設計していくにはどうすればよいのでしょうか。次の章では、モチベーションやお金を軸にキャリアを考えます。

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キャリアデザインを多面的視点で描く~マネーとワーク・ライフのキャリア(前編)

具体的なキャリアデザイン設計

キャリアデザインは誰にとっても必要なものですが、「自分の(仕事)人生のプランを自律的に決定していく」と同時に、「偶然こそがキャリアをつくっていく」という考え方もあります。

いずれにしても、キャリアの計画と直面する課題をクリアしていくためには、「ありたい姿」と、その元手であり土台のひとつである「お金」の2つの軸が必要です。どちらも準備しておくことで、計画はもちろん、偶発的な出来事にも対応できるようになります。

(1)自分を知るための「モチベーショングラフ」

まずは自分自身を知ることが必要です。これまで積み上げてきた経験やキャリア、知識などだけではなく、自分のかつての望みとこれからの望み、それらを実現していくためには何が必要なのかを棚卸ししていきます。

①スキルの棚卸しをする~自分の「今」を客観的に知る

入社してからこれまでを振り返り、仕事の棚卸しをします。また、その時々のスキルや経験を洗い出していきます。

自分を知るためには周囲の人々の考えも知る必要があります。周囲の人々はあなたに何を期待しているのか、あなたはどういった役割として見られているのか、自分はどう見られたいのかを知ることで、今後の計画の方向を決める助けとなります。

②自分に求められる役割を理解する

組織から見た時の自分に求められている役割を「現在」「5年後」「10年後」の3つの視点から考えていきます。

③「モチベーショングラフ」を書いてみる

「モチベーショングラフ」とは、文字通り自分のモチベーションの上下をグラフにしたものです。ゴール地点は現在の自分ですが、スタート地点は、生まれた時からでも初めて社会人になったタイミングからでも自由に設定できます。

自分のこれまでを思い出しながらモチベーショングラフを書くことで、自分は何があった時にモチベーションが上がるのか、逆にどんな時にモチベーションが下がってしまうのかを知ることができます。

最初はなかなか思い出せなかったり、細かく書けなかったりする場合かもしれませんが、とりあえず完成させることを目標にして、その後同じように何度か書いてみるのもおすすめです。

自分と周囲の価値観、求められている役割などをすべて洗い出すことで、仕事だけではなく、ライフスタイルやライフイベントを含めた計画を立てていくための、キャリアデザインを考える上で必要な「ありたい姿」への入口に立つことができます。

④Must・Can・Willの3つの重なりを軸に考える

  • Must(しなければならないこと)
  • Can(できること)
  • Will(やりたいこと)

仕事とは、社会人として「しなければならない」ものであり、能力を高めることで「できる」ようになるものであり、また、意欲を持って「やってみたい」と思うものでもあります。

Must:「自分は、今後何をしなければならないのか(何をすべきか)」

自分自身に求められていることは何かを考えます。すなわち、外部から要請されている能力・行動とは何なのかについて確認することです。

Can:「自分には、何ができるのか」

経験を通じて身につけたものについて確認します。これらは、「今にして思えば......」という回顧によって初めて知ることができるものもあります。

Will:「自分は何をしたいのか(どうなりたいのか)」

自分自身が望んでいることは何かを考えます。これは、内的な願望を確認することです。

この3つの要素が全て当てはまるような仕事に出会えた時、成果が最も高く表れると考えられます。言い方を変えると、どれかが欠けている場合、思うように成果につながらない可能性があるということになります。

この仕事における3つの性質(=Must・Can・Will)を元にして、今の自分にどのような行動が求められるのかを考えることが、これまでの自分を振り返り、これからのキャリアプランを立てることにつながります。

(2)お金のことを考えるキャリアデザイン

男女ともに平均寿命が80歳を超え、健康への関心が高まった結果、健康寿命も延伸していますが、その反面、国民一人あたりの医療費は毎年増大しています。

まずは人生に起こりうる様々なライフイベントに必要なお金のことを知ることで、これからの人生とキャリアに必要な要素を把握していくことが重要です。

①今後30年を考える

ワーク・ライフ・マネーの切り口で、これから起きる未来を現実的かつ具体的に予測し、今後いくらお金が必要になるか洗い出します。

②自分のありたい姿を考える

ワーク・ライフ・マネーの3点について、今後どうしたいか、また、今から何をしておくかを書き出します。

③受け取るお金を計算する

年金や保険など、現時点で将来受け取れる見込みのお金について把握していきます。

④これから稼ぐお金を考える

受け取れる見込みのお金を踏まえ、どれぐらい収入が必要か、ありたい自分の生活を保つためにはどれぐらい稼ぐ必要があるのかを考えます。

自分のスキル、やりたいこと、周囲に求められていること、やらなければいけないことを把握している人は自然と価値が高くなり、所属している組織にとっても有用でかけがえのない人材となります。

組織と個人がお互いにとって必要で好ましい存在となり、価値を高めあっていけるキャリアを築いていくのがひとつの理想です。

(3)キャリアデザインにライフイベントを織り込む

ライフイベントとは、人生のうちで起こる出来事のうち、影響の大きいものや、人生の転機になるものを言います。

  • 就職活動と就職
  • 転職
  • 結婚
  • 出産、育児、教育
  • 住宅購入
  • 介護
  • 老後資金
  • 葬儀

これらのライフイベントの共通項として、まとまったお金が必要になるという要素があります。すぐにすべての目処が立たなくとも、キャリアプランを作る際に織り込んで考えておくことで、いざという時に慌てなくて済みます。

株式会社インソース より

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