前編では、女性管理職が増えない背景として、「日本的経営」に見られる男性優位のチーム形態と、女性が少数派である職場環境が原因になっているという視点を紹介しました。後編では、女性管理職を増やすためにまず何をすべきか、問題点から紐解いていきます。
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・女性管理職を増やすファーストステップは?(前編)
あるチーム内に女性が1人しか居ないとしましょう。するとその一人ぼっちの彼女は、チーム内では他のメンバーには相談しづらくなって、いきおいひとりで仕事をしてしまうような傾向が高くなってしまいます。それを見ている男のメンバーの中から、「女性はチーム作業が苦手」という認識が出てきてしまうのは当然です。
もし、逆に女性が多い職場で男性が少数派なら、「男性はチーム作業が苦手」という周囲の認識になっていたかもしれません。つまり、女性管理職を増やすファーストステップは、女性の数を増やしてチームを組織し、女性が特に性を意識しなくてすむような状態にすることです。「一緒に仕事をする女性の数が、男性に比べて圧倒的に少ない」という職場環境こそが、「女性はチーム作業に向かない」という「誤解」を生んでいる根本原因なのです。
日本では、子どもが生まれたら「育児」を理由に約6割の女性が仕事を辞めてしまうといいます。(平成28年度版 男女共同参画白書より)しかし欧米ではその半分以下とされます。
一方、日本の女性で「仕事への不満」「キャリアの見通しが立たない」ことで辞める女性は、年々増えています。女性が「出世したくない」と答え、「いまの組織」で「いまの上司」のようになりたくないと言っていることのあらわれです。
女性社員には管理職志向がないというのではなく、彼女たちが目指すべきロールモデルやキャリアプランを、組織が用意していないことに原因があります。こういった現状を踏まえれば、女性社員という働き手の受け皿となる組織のマネジメント改革は組織の急務です。
女性社員が生産性を上げて、成果を出す働き方を学ぶ教育研修や、管理職になるためのマインドセットは当然必要です。女性自身がキャリアを主体的に考えることによって、今後のキャリアアップを具体的にイメージすることができるようになることが必須条件だと言えます。「自分のキャリアは自分でデザインする」という女性社員を増やし、女性社員の組織に対する定着率を上げ、女性社員の割合を増えることに繋がります。
女性社員の割合が多いチームが増えれば、そこから「女性管理職」を待望する声は必ず上がってくると期待されます。男性社員に対する女性社員の数の割合が増えれば、「女性管理職」の数も比例して増加するはずです。日本的経営の新しい形、「日本版ダイバーシティ・マネジメント」は、女性社員の割合が多い「チーム作り」にポイントがあります。従って、現代の組織には、女性社員が活躍できるように「働きやすい環境・制度の整備」と「人材の育成・教育」を進める努力が求められています。
株式会社インソース より
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