新たに管理職となられた皆さま、昇進おめでとうございます。目の前の重責を噛みしめつつ、職務をやり遂げよういう決意でみなぎっているのではないでしょうか。
昨日までは担当者としてフォロワーシップを発揮されてきた皆さまですが、これからはリーダーシップを発揮することが重要となります。そして、個人としてではなく、チームとしての成果が問われることになります。担当者としての経験がこれからも活きるとは限らず、むしろ切り捨てた方がよいものもあります。
まさに「ビジネスパーソンとしての大転換期」を迎えていると言えるでしょう。
今回、管理職としてのキャリアをスタートさせる皆さまにお伝えするのは、メガバンクの人事部長や経営企画部長を歴任、現在は管理職や経営幹部養成のための講座を担当している弊社のエグゼクティブ・アドバイザーからの「新任管理職へ贈る4つの言葉」です。自身がこれまで蓄積してきた"先達の英知"を集約したものであり、皆さまにとってこれらの言葉が、イチ担当者から管理職への大転換という壁を難なく乗り越えていただくための一助となれば幸いです。
管理職に昇進したばかりの方には共通する特徴があります。「こうすれば間違いなくできる」、「これをこう変えればもっと良くなる」といった具合に議論が自然と"手段"中心になることです。これでは問題解決が無意識のうちに業務の効率化(コスト削減、生産性向上)や正確化(品質向上、製品ロス削減)に向いてしまいます。
こうした手段偏重の思考に陥りやすいのには理由があります。皆さんが学生の間は、問題が先に与えられ、この問題を解く手段・方法に神経を集中してきました。さらに会社に入っても、成果を得るための手段をたたき込まれてきており、手段偏重の思考に陥りやすいことはやむを得ないと思います。
しかし、皆さんが管理職としてこれから解決しなければならない事項は効率化や正確化の問題に留まりません。まだ曖昧な問題の発見と定義から入って、適切な手段を選択し、問題解決に当たることが求められます。問題の発見と定義を疎かにしていては、チームが正しい方向に進みません。だからこそ、皆さんは意識して手段偏重の思考法から卒業しなければならないのです。
手段偏重の思考法から卒業したあと、どのように対処すればよいのでしょうか。その答えが「全体像をしっかりとつかむクセをつけること」です。このクセをつけるためには、チーム全体を見渡すための問いを立て、自問自答を繰り返すことが有効です。
【設問例】
「チームの目指すべき姿は何か」
「チームの達成すべき目的は何か」
「チームの根本的な問題は何か」
「チームの最重要課題は何か」
「各メンバーに対する人材育成は順調か」
「メンバー全員がはつらつと活躍しているか」
「チームにゆくゆく問題となるようなリスクは存在しないか」
「どこかに業務改革やイノベーションの余地が潜んでいないか」
「自らのリーダーシップについて改善すべきことは何か」
「チームとして会社に期待したいことは何か」など
これらの設問を活用して、週に最低1回はチームをめぐる状況を検討し、チームの問題を浮き彫りにしていきます。
株式会社インソース より
【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック
時代の転換期を迎え脚光を浴びる「人的資本経営」。強い組織づくりには、改めて定義し直された人材に対し、いかに育成するか、という戦略立てが欠かせません。その具体的なノウハウをお伝えします。