新しいメンバーが一日も早く職場に慣れ、力を発揮できるような環境づくり――「新入社員や異動者へのウェルカムムード、ありますか?」の後編です。
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・新入社員や異動者へのウェルカムムード、ありますか?(前編)
ウェルカムな雰囲気づくりのために、以下のようなポイントをお役立てください。
最初は誰しも人の顔や名前が覚えられなかったり、仕事に自信が無かったり、転職や就職直後ならば、自分が決めた選択は間違っていたのかと不安になっていたりします。
「もし自分が〇〇だったら......」とニューカマーの立場や気持ちを想像してみます。共感力は相手を観察することで高められます。長い目で見る・暖かい目で見守る姿勢を心がけましょう。
ウェルカムな雰囲気は表に出さないと伝わりません。「対人関係を良いものにしたい」と思っている人の方から、積極的にあいさつをする、困っていそうなら声をかけるなど、先に動くことを心がけます。社歴や上下関係にこだわらず動いてみましょう。
社会人として、あいさつは社内外・立場を問わず相手を思いやった行動として重要です。当たり前のことでありながら、コロナ禍であいさつが苦手になった方もいるようです。同僚にあいさつをしていない人は来客にもとっさにあいさつできません。新・旧メンバーを問わず、普段から、声に出してあいさつすることを習慣づけしましょう。
仲が良い同僚には笑顔を見せるけど、それ以外の人と笑ったところを見たことがない......そのようなメンバーと積極的に関わろうとは思えないものです。相手は鏡だと思って自分から笑顔を作ってみてはいかがでしょうか。
知らないことが多すぎて不安を感じている新メンバーに、ネガティブな情報を与えることは気をつけなければいけません。自己開示するつもりで愚痴を言ったり、組織や顧客を批評したりすることは避けましょう。
ネガティブな情報をポジティブに言い換えるクセをつけることは、自分自身を前向きにすることにも役立ちます。
声をかけられて無視することはなくても、PCを見たまま返事する、メールに対して返信を忘れる、電話があっても折り返さない、といったことが重なると、拒絶されている、あるいは軽んじられている、というメッセージとして相手に認識されてしまいます。
わざわざ伝えるほどのことでもない、と思うことでも、不安を抱えている状況の相手には上を向くきっかけになることもあります。思い切って伝えることで会話の糸口にもなりますし、感謝の連鎖が続くかもしれません。
「いつも電話をとってくれてありがとう」
「いつも返事が気持ちいいですね。職場が明るくなります」
メンバー間で情報格差が生じないよう、朝礼や週次ミーティングなど、おのずと情報が共有される仕組みを作ります。良い情報(受注情報など)、悪い情報(リスク情報)の両方をシェアしましょう。
まだ慣れていないメンバーのある一部分だけを見て、能力を推測したり、成功や失敗だけで早急に評価を下したりすることは危険です(一般化のし過ぎ・レッテル貼り)。特にそれが否定的なものであると、チーム全体の雰囲気が悪くなっていきます。
「前回は失敗したが、今回はうまくいくかもしれない」
「○○は苦手だが、これは得意かもしれない」
このように、柔軟な姿勢でメンバーの強みを見つけることが、相互の信頼感やモチベーションアップにつながります。
チームのメンバー同士が相手の存在を認め、気軽に関われるようになると、お互いがフォローし合える安心感に包まれ、チームとして成果を出せるようになっていきます。
自分が尊重されたければまず相手を尊重するという姿勢で動き始めることが、チームの雰囲気づくりにつながります。
人間関係が良好でないと、仕事をする上で苦痛を伴い、モチベーションの低下や離職などにつながりかねません。そして先々の業績・成果にも影響します。ウェルカムな雰囲気は新しく着任した人をくつろがせ、委縮せずに活躍できるよう導きます。
とはいえ、ニューカマーがリラックスできるようにと考え過ぎず、まず自分が気持ち良く仕事をすることです。自分の気分が良いと、おのずからあたたかい雰囲気になり、それは仕事仲間の気分の良さにつながります。結果として「良い職場」が実現します。
「情けはニューカマーのためならず」、自分にもできる前向きなコミュニケーションを心がけましょう。
株式会社インソース より
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