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アイデアを発想する方法(後編)

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次章では、企画をつくる際のひらめきと実現化について解説します。

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アイデアを発想する方法(前編)

3.企画をつくるとは? (その1)

「売る=実現することが一番大事」~企画をつくるとは?

アイディア1%・つくる9%・売る90%

実際に企画を立てる仕事を希望する人は多いですが、"企画"は、「インスピレーション」と思っている人に限ってよく失敗します。
「ひらめき」は、"企画"を実現させる際の「総仕事数」のエネルギー配分からいけば、全体の1%ぐらいのものです。
さらに、その「ひらめき」をベースにものをつくることが全体の9%ぐらい。
企画をつくる際に、一番苦労すると思われていることは、合わせても、全体の1割くらいしかエネルギーをかけない部分です。

ではあとの90%のエネルギーは・・・

モノを「どうやって売るか」、「どうやって知ってもらうか」という「売るプロセス」に必要です。
これは思っている以上に大変です。
一つの新しいことを考え、それを作っても、よほど、衝撃的なものではない限り、すんなりと一般には認められません。
モノを売ったり、一般に知らせたりすることはもっともしんどい作業です。

ですから、私は、「○○を考えました」ということだけではほとんど価値を感じません。
企画を実現することと、「思いついた」だけのレベルでは、しんどさが全然違うのです。
人の批判をして、「自分ならこうやるのに」というのは酒飲み話です。「ではやってみろ」、ということです。

企画を立てるためには、まず"発想"という段階があります。これは特別なものではなく、方法やステップに従っていけば誰にでもできます。

簡単に言えば野球の素振りのようなもので、毎日たくさんやっていれば、できるようになるという類のものです。
ほとんどの方は、これまで企画書を書いたことがないから書けないというだけで、書き方を覚えれば、それほど難しいものでもないと思います。

企画書をつくることよりも、その後の"ものづくり"のほうが9倍難しい。さらにそこでできたものを売っていく、世の中に広めていくことは、さらにその9倍くらい難しい。
インスピレーション(ひらめき)よりも、リアライズ(実現化)することの方がはるかに難しいのです。

4.企画をつくるとは? (その2)

「発想力はトレーニングで鍛えられる」「コスト0円の調査方法」~弊社代表舟橋の「企画をつくるとは?」

発想力はトレーニングで鍛えられる

さまざまなものを見てアイデアを出す

研修の具体的な内容としては、まずどうやって発想を出していくかということについて説明をしています。まずはさまざまなものを見て考えること。
たとえば道を歩いていて、はやっていない店がありますね。それをどうやってはやらせるか、その場で考えてみることです。
普通はそんなことは考えないと思いますが、企画を立てる練習においては、そういうつまらないことを一生懸命やってみることが重要なのです。

「玄関にメニューを出す」「今日のランチを書いてみる」 「おすすめを外に出す」「玄関を掃除してみる」など、どうしたらいいかを考える。それが発想の出し方です。

発想を出すのは訓練ですから、たとえば1日に何個ということを決めて考えることが大事です。

アイデアが出たらそれを集中的に考える

そして、それについて集中的に、5分くらい考えるのです。
どうやったら売り上げが改善するかなと考えると、頭の隅に「売り上げを改善しなければ」ということが残るのです。
また、トイレのときや、手を洗うときなど、それを時々取り出しては考える。

そうすると2、3日経つと、頭の中にイメージがポコンと返ってくるのです。
どうしてそうなるかというと、「考え続ける」からです。
急に解答が思い当たることってありますね。それを意図的にやるのです。

コスト0円の調査方法

「いま」からはじめる

次に「調査の方法」について説明します。企画の王道として、突飛なものを一気に考えることはなかなか難しいのですが、「いま」を改善する方法は、誰でもいつでもできることです。

むやみにアンケート・調査をしない

そのときに現状調査や、ものをどう考えていくかという方法があります。 普通、本などでは、単なる「調査」からスタートすると説明するものが圧倒的に多いです。
たくさんのアンケート調査やヒアリングをして、その中からアイデアを拾い出していくという手法を本などでは進めていますが、それは現場ではほとんど役に立たないのです。
というのも、調査は実際にものすごいコストがかかるので、やたらに漠然とした調査をしても、コストだけかかってしまう。
公聴会、ヒアリングやアンケート調査をむやみにやってしまうと、コストが先にたって成果が見えないものです。

まず、周りの人に話を聞いてみる~コスト"ゼロ"の調査法

ですから企画を確実にコンスタントに立てていくときには、 「こういうのがあったらいいな」とアイデアをまず最初に出して、それを周りの10人に聞いてみます。

たとえば自分の周りの10人に聞いて、7人が「いいね」と言ったら、次のステップに進みます。これはコストが0円ですね。
調査屋さんが企画力研修をすると、まず調査やデータ分析の方法からやりますが、それではなかなかいい結果が出ません。
世の中の人は 「こういうアイデアがあるけど、どう?」と言われたら答えられますが、「なんでもいいからアイデアを出して」と言われると、誰も言えないのです。

それはなぜかというと、考えていないからです。ですからそういう方法には私はあまり興味がありません。
身の周りの10人に聞いた後は、100人に聞きます。
やはり身の周りで、知り合いや会社の人100人くらいに、やや詳細なアンケートをしてみる。
これも1日くらいで回収できますから、コストはほぼ0です。

そこでだんだん具体的にものが決まっていくので、それを踏まえてアンケート調査なり公聴会やヒアリングをすると、非常に的確な反応が返ってきます。
たとえば「夜12時までやっている託児所はいりますか」と聞かれて「ノー」という住民は誰もいないと思います。
それから「空を飛ぶ自動車が必要ですか」と聞くと、ほとんどの人が 「ほしい」と答えるでしょう。

ただそれが100億円するというと、誰もいらないということになる。
アンケートや調査は、かなり細部まで決まった段階でしかできません。雑駁な意見を集めても、ものを売ったり、実現するときにはあまり意味がないのです。

夢を実現するのは科学者の仕事です。
企画者はそれが売れるか、あるいはみんなに喜ばれるかというところへ持っていく。そういう違いがあります。

株式会社インソース より

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