企業にとっての高齢者(シニア)雇用を考えます。「高齢者雇用の現状」に関するアンケート調査の最新結果をご紹介する後編です。
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・シニア雇用の実情と課題~アンケート調査の結果より(前編)
「技術の伝承・後輩の育成」、「業務経験を生かした仕事」に分類される回答が多くを占めました。回答のなかには、年齢ではなく個人のスキルや特性による、という回答も見受けられます。
【設問】60歳以上のシニア人材の現在の雇用の有無に関わらず、シニア人材に向いていると考える仕事をお教えください。
以下は自由記述を当社にて分類したものです。
回答の中では「年齢問わず共通の教育」に分類されるものが最も多い結果ですが、本設問は全体として回答数が少なく、シニア向けの従業員教育は実施が少ない様子がうかがえます。
【設問】現在60歳以上のシニア人材に向けて行っている従業員教育がありましたらお教えください。以下は自由記述を当社にて分類したものです。
雇用を継続する際の懸念事項としては「モチベーション」「健康面」に関する意見が最も多くあがっています。その他の意見として、「若年層との摩擦」「新しい人間関係になじめるか」「新しい仕事を任せるのが難しい」「ITスキルをはじめ環境の変化へ対応できるスキルが備わっているか」などが懸念事項としてあがりました。
【設問】現状で60歳以上のシニアの人材を雇用するにあたっての懸念事項、問題となっている点があれば自由にお聞かせください。以下は自由回答を分類したものです。
近年、当社でも60代以上のキャリアや再雇用を見据えての研修についてのご相談は増えています。60代以上のシニア人材への教育としては、考え方の柔軟性を養うためのアンコンシャス・バイアス(無意識の思いこみ・偏見)について学ぶ内容や、自身の働き方や現在の役割を改めて考え、働くうえでの意識の変化を促す内容が考えられます。また、これまでのスキルを活かして働くために、知識を伝承していくナレッジマネジメントや、若い世代とのコミュニケーションについて学ぶ教育を実施する場合も多くなっています。
今後、企業・組織はシニア人材の雇用に取り組むにあたり、人事制度等の課題解決とともに、自社・自組織の従業員に長く活躍してもらうための教育も必要となります。シニア世代となってからの教育ではなく、年齢が高くなるまえの世代でのキャリアデザインの教育やITリテラシーを高める教育を実施することが、シニア世代となったときの仕事の幅を増やし、モチベーション低下を防ぐことにつながると考えます。
株式会社インソース より
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