Web3.0は私も含めまだ経験した人がおらず、空想の域を出ない部分も多々ありますが、その発想自体はブロックチェーンの考え方を引き延ばしただけともいえ、ブロックチェーンの仕組みが分かるとWeb3.0も理解しやすくなります。
ブロックチェーンでは、大量のデータをブロックと呼ばれる塊に切り分けて、多数の参加者がブロック同士を一定のルールに従ってつなげていきます。ブロックをつなげるのは「早い者勝ち」で、はやくルールに沿ってブロックをつなげた参加者は報酬(伝統的には仮想通貨=暗号資産)を得ることができます。
ブロックをつなげる際のルールとして、過去のブロック内のデータから計算される値を新規ブロックに書き込む形になっています。このルールにより、過去のデータを書き換えるためにはその後ろに連なるブロックをすべて書き換えなければならないため、ブロックが長く伸びると書き換えは実質的に不可能になります。(以上は典型的なブロックチェーンの例であり、様々な形態のものがあり得ます)
要するにブロックチェーンでは、多数の分散された参加者がルールに沿って競争をしているだけで自律的にデータが保全されています。巨大な権限を持つ管理者はいません。単語で言えば「自律」「分散」がブロックチェーンの最大の特徴です。
インターネットの世界を、このブロックチェーンの発想で構築するのがWeb3.0です。トップダウンでプラットフォーマーが強大な権限をもって管理していくのではなく、参加者それぞれがシステム処理や活動を支えることでインターネットが維持されていくことになります。
現段階では具体的な手法が定まっていないものの、2022年6月7日、政府は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定し、その基本戦略の1つとして「Web3.0の推進」を掲げており、本気であることはうかがえます。