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「コーポレートガバナンス・コードを『そもそも』から理解する(その1)」

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4.そもそも「コーポレートガバナンス・コード」は何のためにある?

 上場会社にとっては、新たなルールが適用されることになるわけですが、一体何のためにコーポレートガバナンス・コードが導入されたのでしょうか?コードに準拠すればいいことがあるのでしょうか?

 まず、コーポレートガバナンス・コードとは何かという定義をしておく必要があります。それは、コーポレートガバナンス・コードの最初の「コーポレートガバナンス・コードについて」に書かれています。

 そこでは、「「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み」と定義されています。

 次に、何のためにそのような仕組みが必要かについて書かれています。短い文章ですが、いろいろなことが盛り込まれていますので注意して読む必要があります。「それぞれの会社において持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための自律的な対応が図られる」がコーポレートガバナンスの目的です。

 会社が持続的に成長すれば中長期的な企業価値が向上するはずですので、この2つは、ほとんど同じことを言っています。

 ということで、コーポレートガバナンスの目的は、「会社の中長期的な企業価値の向上」です。実は、コーポレートガバナンス・コードの表紙を見ると、サブタイトルとして「会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために」と書いてあります。基本原則、原則、補充原則に従った体制づくりに関心が

 向くと、往々にしてその目的を見失いがちです。「会社の中長期的な企業価値の向上」のために実効性のある体制づくりをするということが最重要ポイントです。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.021 2016.02.03)より転載

久保 惠一

学歴:1976年 大阪大学経済学部卒業

職歴:大学在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツに入社。カナダバンクーバーの提携先会計事務所で実務経験。大手メーカーや銀行などの会計監査と株式上場支援を経験。監査法人内でリスクコンサルティング事業を立ち上げ、15名から450名の組織に拡大した。 監査法人トーマツのボードメンバー、デロイトトーマツリスクサービス株式会社代表取締役社長、トーマツ企業リスク研究所所長、情報テクノロジー本部長を歴任。石油公団資産評価・整理検討小委員会、東京電力点検記録等不正の調査過程に関する評価委員会、総合資源エネルギー調査会石油部会、原子力施設安全情報申告調査委員会などの政府委員会に参加。大手信販会社総会屋利益供与事件、信用情報機関の個人情報漏洩事件、東京2020オリンピック・パラリンピック招致に関わる海外支払の調査に関与。 元中央大学大学院客員教授

資格:•公認会計士•カナダ(ブリティッシュコロンビア州)勅許会計士

主な著書:•『東芝事件総決算』(単著、日本経済新聞社)•『水リスク−大不足時代を勝ち抜く企業戦略』(編著、日本経済新聞出版社)•『リスクインテリジェンス・カンパニー』(編著、日本経済新聞社)•『内部統制報告実務詳解』(編著、商事法務)


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