廃棄物処理大手の大栄環境は、M&Aによる事業エリアの拡大を促進する。これまでもM&Aとオーガニック(内部の経営資源)の両輪で成長してきたが、今後3年間は100億円を投じ、M&Aを一層積極化する。
ペット保険最大手のアニコム ホールディングスは、M&Aによる動物病院の事業承継を加速する。病院経営を譲り受け、アニコムグループの病院として運営することで、グループのスケールメリットを活かし、動物病院事業を拡大する。
タブレット端末などを用いたPOSレジ「スマレジ」事業を手がけるスマレジが、2024年12月に子会社化したECに特化した在庫、受注管理システムを展開するネットショップ支援室のPMI(M&A後の統合作業)を加速させている。
米国やメキシコでラーメン店を展開する米Tajima Holdingsの買収を断念した、九州筑豊ラーメン「山小屋」を展開するワイエスフードが、M&Aを加速的に推進する方針を打ち出した。
オフィス用品のEC(電子商取引)通販を手がけるアスクルは、M&Aや他社協業を積極的に進め、2035年に既存事業と新規事業の利益(EBITDA=営業利益と減価償却費を合わせた額)割合で半々を目指す。
不動産大手の住友不動産は、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年の中期経営計画の中で、新たな好球必打投資やM&Aなどに2600億円を投じる計画を打ち出した。
中堅不動産会社のランディックスは、富裕層が求める不動産の周辺事業のラインナップ強化にM&Aを活用する。収益の継続性が高いストック性を高めるために、周辺事業の拡充に取り組むことにした。
電子書籍取次国内最大手のメディアドゥは、事業領域の拡大を狙いにM&Aを積極化する。今後5年間(2026年2月期~2030年2月期)にM&Aなど110億円以上を投し、新たな事業の創出に力を入れる。
警備業界で近年、めきめき頭角を現している会社がある。共栄セキュリティーサービスがそれ。2019年の上場時から売上高は8割増え、今年、区切りの100億円を超えた。成長の原動力となっているのは他でもない積極的なM&A戦略だ。
M&A Onlineが2025年上期(1-6月)の上場企業による子会社・事業の売却案件(適時開示ベース)を集計したところ、取引金額が2兆335億円となり、コロナ禍の2021年上期の1兆8446億円を上回り、過去10年間で最高額となった。