TOB件数は3年連続で増加した一方で、金額は大型案件が乏しく大幅減に終わった。活発なMBOでは上場廃止を目指す動きが目立った。事業の「選択と集中」志向で、今年もTOBは活発になりそうだ。
道路舗装業界に再編の波が押し寄せている。業界3位の日本道路が名実ともに清水建設の傘下に入ることになった。清水建設はTOB(株式公開買い付け)を通じて持ち株比率を高め、これまで関連会社だった日本道路を子会社化する。業界首位のNIPPO、2位の前田道路は昨年来、上場廃止に動いている。
ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2021年のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は2277億円と前年を50.6%上回り、2013年に現行方式で調査開始以来の最高となった。「コロナ禍」1年目の2020年は約30%の大幅な落ち込みとなったが、一転して、ベンチャー投資の持ち直しが鮮明となった。
M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年2月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、東京大学、大阪大学発の創薬ベンチャー2社が売られていることが分かった。
2022年2月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比17件減の80件だった。過去10年で最多だった前年同月の97件に比べるとマイナス幅は大きいものの、80件を超えるのは4年連続で、高水準を堅持している。1~2月の累計は144件と前年同期を7件下回る。
緊迫が続くウクライナ情勢だが、同国と日本とのM&A取引はあるのだろうか。M&A Online編集部が上場企業の適時開示情報をもとに調べたところ、少なくとも過去10年間で該当する案件は見当たらなかった。一方、実力行使の構えを見せる隣国ロシアと日本との間では7件のM&Aがあった。
鳴り物入りの大型M&Aがご破算となるケースが相次いでいる。ソフトバンクグループが英半導体設計子会社アームの4.2兆円売却を断念したのに続き、国内ではフィデアホールディングスと東北銀行の経営統合が白紙に戻った。
2022年1月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比10件増の64件となり、1月として過去10年で2020年(74件)に次ぐ2番目の高水準だった。前年1月は新型コロナウイルス感染拡大を受けた2回目の緊急事態宣言と重なり、20件の大幅減となったが、コロナ3年目の今年は好調な出足を見せた。
電子楽器を手がけるローランドの筆頭株主であるタイヨウ・ジュピター・ホールディングスが、ミネルバ・マネジメント・インクに保有株式を売却し、保有割合が50%を割り込んだことが分かった。
M&A分野でも「東京一極集中」は揺るがない。東京都は大阪府を5倍以上引き離す。2021年は静岡が上位10に食い込む。下位グループは西日本に集中し、「東高西低」がくっきり。