今回は、明治ホールディングス<2269>(以下、明治HD)と雪印メグミルク<2270>の乳業大手2社を分析してみる。日本人なら誰でも子供の頃から、おなじみの会社である。乳業という共通事業のほか、明治HDはお菓子類、雪印メグミルクはバターなど乳製品類製造のイメージだが、実際はどうなっているのだろうか。
2010~14年までの5年を分析してみた。

■明治HD
■雪印メグミルク

 企業力総合評価は、明治HDは成長トレンド、雪印メグミルクは悪化トレンドと明暗が分かれた。その原因は営業効率以下の下位指標を見れば分かる。営業効率(もうかっているか指標)は、明治HDは改善トレンドだが、雪印メグミルクは、悪化トレンドである。資本効率(株主評価指標)も同様。

 生産効率(人の利用度)、資産効率(資産の利用度)は両社青信号領域である。流動性(短期資金繰り指標)は、両社、赤・青ゼロ判別当たりだが、明治HDが勝っている。安全性(長期資金繰り指標)は両社青信号領域である。

 明治HDは、営業効率が改善し、生産効率改善、流動性改善、安全性改善と善循環に入ってきているが、雪印メグミルクは、そうではない。

 営業効率をさらに詳しく分析してみる。両社は上場企業であるから、製品群別(個々の商品別)・地域別・顧客別など、細かく利益率を把握し、何が、どこが一番もうかるかを明確にしている。

 あなたの会社も、どこがもうかっていて、今後どの売り上げを増やすべきか、どれほどの利益率を確保すべきか明確に答えることができるだろうか? もし、これができていないとすれば、あなたの会社は「未来」を決められないまま、「未来」を迎えなければならない。


 明治HDは、医薬品事業をしている。食品事業が1兆152億円に対し、医薬品事業が1,351億円であるから、まだまだ規模は小さいのだが、営業利益率は医薬品事業がはるかに良いようだ。


 雪印メグミルクは、売上高は、飲料・デザート類事業が伸びており、乳製品を抜いた。しかし、13年までギリギリプラスであった営業利益率も14年マイナス(△0.99%)に割り込んだ。営業利益率の厳しい飲料・デザート事業の売り上げが伸びているのだから全体として、営業効率が悪化するわけである(その他:不動産賃貸事業および共同配送センター事業など)。

<まとめ>
 他社の事例研究は、情緒の入る隙がないため、自社分析する時に客観的評価を可能にする。事業に対する思い入れを排除して、まず数字の把握していただきたい。そして最後に意思決定していただきたい。意思決定まで及ばない事例も示した。

文:株式会社SPLENDID21 代表取締役社長 山本純子