数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Onlineがおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「敵対的買収とアクティビスト」太田 洋 著、岩波書店刊
あの岩波新書から「敵対的買収」の解説書である。教養人向けの「意識高い」書籍を出版してきた岩波書店だけに、M&A Onlineとしては、感激も一入(ひとしお)だ。さすがの岩波新書クオリティーで、敵対的買収についてほとんど知識がない読者でも気軽に読める。

とはいえ、世に跋扈(ばっこ)する「ニッチな分野だから、専門用語を多用してはぐらかそう」という衒学的な要素は一切ない。その点も岩波新書クオリティーだ。
敵対的買収やアクティビストといったキーワードの定義を厳密に説明し、敵対的買収やアクティビストの行動などの報道をキャッチアップするための知識を得られる良書だ。
敵対的買収のニュースを追うだけでは、買収する企業や防衛する企業、受け入れる企業が、どのようなロジック(論理)で行動しているのかわかりにくい。そうした企業買収の制度や歴史、政府による規制や訴訟の判例などを解説し、その全体像を明らかにしている。
実際にTOBに応募するための方法も紹介。「そのうちTOBを仕掛けた企業から株を譲ってくれと連絡が来るだろう」とのんびり構えていても、待てど暮らせど声はかからず、TOBに応募できないのだ。
さらに、なぜかつての日本では米国よりも敵対的買収やその「舞台」となる株式公開買い付け(TOB)が起こらなかったのかや、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が敵対的買収の対象にならない理由など、素人の素朴な疑問にも答えており、読み物としても楽しめる。
敵対的買収の歴史では、「日本初の敵対的買収」と言われることもある2000年の村上ファンドによる中堅不動産会社・昭栄に対する敵対的TOBよりも100年以上前の1888年に相場師の雨宮敬次郎氏による甲武鉄道(現在のJR中央線)の敵対的買収があったと、マスコミの「通説」を覆す事実も明らかにしている。
このところの敵対的買収ブームで世間に「にわか専門家」の言説が大量に流布されているが、そうした「誤情報」の受け売りで恥を書く前に呼んでおきたい1冊だ。(5月19日発売)
文:M&A Online
企業の「通知表」である決算書。しかし、数字を見ても決算書が読めるようにはならない。なぜならビジネスに対する理解が必要不可欠であり、「決算書×ビジネスモデル」の視点を持つことが重要だからだ。
本書は実際に撤退に関わった担当者らが、手続きのやり方や、交渉の流れなどの具体的な内容をまとめたもので、11の事例と、撤退の検討の進め方や企業売却といった撤退の実務にかかわる78のQ&Aから成る。
「クロスボーダーM&A」×「英文契約」をテーマに、海外事業の買収に向けた英文契約書の起案を任された実務担当者に向けて書かれた本。
「M&A経営論 ビジネスモデル革新の成功法則」は、V字回復を果たした学研ホールディングス代表取締役社長の宮原博昭氏による「日本型M&Aのすすめ」を説いた本である。
「グローバル(企業の)グループ経営」に携わる層をターゲットにした一冊。クロスボーダーM&Aに注目し、M&AやPMIの勘所を整理しまとめた。
14年間で17社を友好的に統合し、その2年後には2倍以上の規模を持つ同業者と経営統合した経験を、幅広い産業分野に適用できるように、多くのノウハウを盛り込んで書き上げたのが本書だ。
「いきなり事業承継成功読本」は、事業承継を成功させるために経営者が何をすればよいのか、準備不足で失敗しないためにはどうしたらよいかを解説した本である。
2022年に出版されたM&A関連や事業承継をテーマにした書籍をまとめました。
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「ただ廃業することは、無責任。最後まで、責任を持って廃業しませんか」。著者は中小企業の経営者に、こう呼びかける。その責任ある廃業とはM&Aだという。
本書はコーポレートガバナンスについてのエッセイ(気軽に自分の意見をまとめた文章)集である。
一口5億円や10億円といった大口投資を対象とプラしていたイベート・エクイティ(PE)ファンドが、大きく変わろうとしている。個人投資家による小口の投資が可能になりつつあるのだ。