ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都)がまとめた2019年上期(1~6月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期比44%増の1016億円となった。2013年に現行方式で調査を開始して以降6年連続で増加し、半期ベースで初めて1000億円を突破した。

投資件数は13%増えて729件

将来のIPO(新規株式公開)などに伴う高リターンを期待し、スタートアップ企業に対する成長資金の供給が一段と活発化している様子が浮き彫りになっている。投資件数も729件と前年同期を13%上回り、過去最高となった。

VECは四半期ごとに国内のVC(事業会社によるコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を集計している。今回の第2四半期(4~6月)調査には107社が回答した。第2四半期の国内投資額は529億5000万円で、前年同期比208億3000万円増加した。第1四半期(前期)比では43億3000万円増だった。投資件数は401件で、前年同期比104件、前期比で73件それぞれ増えた。

第2四半期の国内投資を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が48.5%とトップで、次いで「工業、エネルギー、その他産業」12.7%、「バイオ・製薬」と「メディア、娯楽、小売り、消費財」が各11.3%などの順となった。なかでも、「工業、エネルギー、その他産業」は第1四半期(6.1%)に比べシェアが倍増。反対に、「金融・不動産、法人向けサービス」のシェアは第1四半期の4.8%から1.8%に低下した。

「アーリー」「エクスパンション」がシェア伸ばす

第2四半期の国内ベンチャー投資のステージ(成長段階)別動向は次のとおり(INCJ=旧産業革新機構は除く)。

「アーリー」56.4%(前年同期47.8%)、「エクスパンション」23.1%(同19.4%)、「シード」14.1%(同23.3%)、「レーター」6.4%(同9.6%)。設立後、経営が軌道に乗り始める段階にあたる「アーリー」が50%台半ばにシェアを拡大する一方、事業の本格展開から拡張段階にある「エクスパンション」も今回4分の1近くに占めるまでになった。

「シード」は事業の計画・準備段階、「レーター」はIPOを検討段階のベンチャーを一般に指す。

第2四半期のステージ別投資動向(国内、除くINCJ) 回答のあった102社集計

ステージ金額(億円)件数
シード53.270
アーリー213.3172
エクスパンション87.370
シード24.119
合計377.9331

第2四半期に新規に組成されたファンドは14本、767億5000万円。これにより、2019年上期のファンド組成は計28本、総額1672億6000万円で、前年同期と比べ5本、634億3000万円増えた。

文:M&A Online編集部