ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2017年度(2017年4月~18年3月)の国内ベンチャーキャピタル(VC)による投資金額は1976億円と前年度を29.2%上回った。3年連続で増加した。投資件数は同13.8%伸びた。投資金額はリーマンショックの翌年度(2009年度)に底を打ち、回復傾向をたどっているものの、ピーク時の水準(2800億円前後)には達していない。国際比較すると、米国9兆5000億円、中国3兆4000億円に対し、その差は歴然としている。

国内向けは5年でほぼ倍増、種類株の利用も広がる

2017年度の投資金額の内訳をみると、国内向けが前年度比24.7増の1362億円、海外向けが同43.1%増の614億円。国内向けは13年度以降、5年連続で伸び、この間、ほぼ倍増した。一部の魅力的なベンチャー企業(VB)への投資の集中、事業会社によるVB投資の活発化を背景に、バリュエーション(企業価値評価額)が高騰する傾向がみられるとしている。

1件当たりの投資金額は国内向けが同2%増の1億100万円、海外向けが同61.5%増の2億7300万円。海外向けについては一部大手VCに限られるため、特定数社の投資金額の増減や大口案件の多寡が1件当たりの投資金額に影響しているとみられる。

投資に際しては種類株の利用比率(金額ベース)が2014年度の47.3%から17年度には69.5%に高まった。種類株は普通株とは権利内容が異なり、投資先企業の出口戦略として増加傾向にあるM&Aに柔軟に対応できる利点がある。

国内投資を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が509億円とシェアトップで、伸び率も33.6%。「ソフトウエア」(約2.6倍の94億円)、「工業、エネルギー、その他産業」(44%増の185億円)も大きな伸びを示した。「工業、エネルギー、その他産業」では宇宙関連が牽引したという。

〇ベンチャー投資の国際比較(日本は年度ベース)

2016年2017年
日本1529億円1976億円
米国8兆1199億円9兆5336億円
欧州6292億円8140億円
中国2兆1789億円3兆3630億円

VEC:「ベンチャー白書2018」から。