ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

としまえん きみはあの機械遺産に乗ったか|産業遺産のM&A

alt
精巧な美術工芸としての輝きを放つカルーセル・エルドラド

 2000年代初頭のM&Aは“第2波”の荒波か?

2000年代に入り、としまえんの経営主体が再び目の回るようなスピードで変わっていった。2004年に西武鉄道はワンダーズの事業を武蔵野地所の子会社である(株)豊島園に移し、同時期に(株)豊島園の従業員を西武鉄道のグループ会社であるインターベストトレーディングに転籍させた。と同時に、インターベストトレーディングが遊園地の運営を受託することになった。

そして、ワンダーズは結局解散し、(株)豊島園は武蔵野地所を合併し、商号としては武蔵野地所を名乗るようになる。存続会社を(株)豊島園としつつも、武蔵野地所が解散し、商号としては(株)豊島園を改称して武蔵野地所を名乗る、第2会社方式による事業再生のような、いささかアクロバティックなM&Aである。一方で、インターベストトレーディングが(株)豊島園に改称した。そして、2010年に武蔵野地所は西武鉄道に吸収され、解散することになる。

カルーセルは周回すれば必ずもとの位置に戻る遊戯施設である。この時期、豊島園の経営主体はまるでカルーセルに乗ったかのように、ぐるぐると回っていた。

としまえんはプールや園内鉄道には日本初、世界初の遊戯施設もあり、まさにプールの聖地、軌道の宝庫とも称される遊園地である。広告も奇抜、斬新で注目を集めた。だが、2010年頃からは、敷地も公園も、東京都やJリーグ、ワーナー・ブラザーズなどが買収する噂が立っては消えていく。話題を集め続けたとしまえんだが、その運営はかなり西武グループに振り回された感も否めない。まさに、としまえんそのものがカルーセルであるかのように……。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

利益わずか50万円 としまえんを閉鎖して土地活用をする理由

利益わずか50万円 としまえんを閉鎖して土地活用をする理由

2020/02/07

西武グループのとしまえんが閉鎖となり、跡地利用にワーナー・ブラザーズが手を挙げています。閉鎖後はハリー・ポッターを中心としたテーマパークが誕生するとの観測が高まっています。としまえんの2019年3月期の純利益はわずか50万円でした。