コロワイドのフレッシュネス買収 利用者にどんな影響?

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次に考えられるのは価格戦略の見直しだ。フレッシュネスで販売しているバーガーは最も安いテリヤキバーガーでも350円。630円のアボカドバーガーや720円のクラシックベーコンエッグチーズバーガーなど、マクドナルドやモスバーガーの2倍近い値段の商品も並んでいる。それでも品質の高さから一定の人気を誇るが、日々のランチ代の節約に励んでいる消費者には少し手の届きにくい印象もあった。今後はコロワイドのグループ購買力をいかして食材を安く調達できるようになる公算が大きく、価格がもう少しお求めやすくなる可能性もありそうだ。

M&Aの隠れた論点として見逃せないのが株主優待の取り扱いだ。コロワイドは500株以上を保有している株主にグループの店舗を1万円相当利用できる株主優待券を発行している。なぜか子会社のレインズインターナショナルが運営する牛角などの店舗は優待の対象外。一方で同じ買収した会社でもカッパ・クリエイトの店舗では優待券を使える。

フレッシュネスの店舗で優待券を使えるようになるかどうかは今のところ不明だ。ただフレッシュネスはレインズインターナショナルの子会社になるため、優待券が使えなくなる可能性も少なからず残る。

ちなみにライバルのマクドナルドは100株~299株を持つ株主に優待食事券を1冊配っている。バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券6枚ずつがセットになったもので、時価にして3000円程度。マクドナルドの株を100株買うには直近の株価で計算すると30万円ほどかかるため、優待利回りは1%になる。

これに対してコロワイド株を500株買うには約100万円かかる。同じく優待利回りを計算すると1%で互角だ。コロワイドにはまず店舗数拡大やコスト削減に取り組んでフレッシュネスを身近にしてもらう。これと並行してコロワイドの約8万人の株主にフレッシュネスを使ってもらえるよう、優待券の取り扱いを検討してほしいものだ。

文:M&A Online編集部

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