前回と今回のコラムでは、ヴァージニア会社のリアルなサバイバルの歴史に焦点を当てた。しかし、株式会社の成り立ちや起業家精神の高揚の歴史を考えるとき、やはり宗教−具体的にはユダヤ教とキリスト教の存在が決定的に重要だと痛感する。
そして、感染拡大が続くコロナウイルスの脅威に直面する中で、強く感じさせられることがもう一つある。疫病の影響だ。大航海時代の15~16世紀、欧州では死の伝染病「ペスト」が猛威を振るった。
例えば初期東インド会社の最重要貿易品だった香辛料...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。