タバコで息を吹き返したヴァージニア会社。しかし、本国イギリスの投資家や、勅許状を出す王室のヴァージニア会社に対する統治は、誠にちぐはぐなものだったようだ。度重なる戦争などで財政危機にあった英王室は、ヴァージニア会社がタバコで息を吹き返して利益が出てきたとみるや同社に対して多額の増税徴収を狙った。
これに端を発してスマイスをはじめとする株主経営者勢力と、それ以外の株主勢力との利権争いも先鋭化した。このような動きは、現地でヴァージニア会社を運営する者たちの反発を招くものだったに違いない...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。