今から400年前のヴァージニア植民の主体となったヴァージニア会社の歴史を通じて、米国の起業家精神のもう一つの側面について光を当てる試みを書いてきた。400年以上も前に起業し、たった30年ほどで「歴史の泡」と消えていったヴァージニア会社。
一方で設立から実に数百年にわたって世界を支配し、近代株式会社のすべての基礎となった東インド会社。ヴァージニア会社の歴史は短い。同社の栄枯盛衰が米国の起業家精神を形づくる、もう一つの要素に繋がっているという筆者の仮説は飛躍しすぎだろうか。そうは思わない...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。