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「M&Aコンサルタントに必要な法務スキル」 |編集部おすすめの1冊

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数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Onlineがおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。

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M&Aコンサルタントに必要な法務スキル ストライク編・森井聡著、中央経済社刊、定価4400円

NHKの連続テレビ小説「虎に翼」で、法律に世間の目が集まっている。法律は社会のルールであり、ビジネスの世界も例外ではない。法律の知識なしのビジネスは、とんでもないトラブルの種にもなるのだ。

もちろんM&A仲介の現場でも、法務スキルは欠かせない。とはいえ、仲介業務に当たるコンサルタントの多くは弁護士ではないし、詳しい法務知識を習得する余裕もないだろう。そこで実務上、最低限の法務知識とノウハウをまとめたのが本書だ。

法律の専門書にありがちな法務理論の解説ではなく、あくまで実務に沿った形での指南書として役立つ。現場の第一線で活躍するコンサルタントにとっては、仲介業務のプロセスごとに参照して必要な法務知識をもれなく得られる構成となっている。

「法務デューデリジェンスで未払い残業代が年間100万円あると判明し、買い手がM&Aの中止や譲渡代金の減額を求めてきたが、売り手は対象企業において未払い残業代が問題になったことはないと減額に応じない」といった課題を提示。仲介会社がどう調整して、最終契約書草案を作成すべきかなど、極めて実践的な内容だ。

法律の知識だけでない。法務デューデリジェンスにおいて売り手企業のインタビュー疲れを減らすため、売り手側にその意義を丁寧に説明すると同時に、買い手側にも可能な限り重複した質問を避けるよう依頼するといった配慮など、交渉をスムーズに進めるためのノウハウも数多く紹介している。

著者は本書を「これからM&A仲介業界に参加する未経験のコンサルタントや仲介会社」や「仲介業務の経験が1年〜2年程度のコンサルタント」を対象にして執筆したという。ただ、M&Aの法務スキルはの売り手、買い手の双方に必要だ。M&A仲介会社やコンサルタントだけでなく、幅広い読者に読んでもらいたい1冊だ。

【書誌情報】
書名:M&Aコンサルタントに必要な法務スキル
編者:株式会社ストライク
著者:森井聡
発行所:中央経済社
定価:4400円(本体4000円+税10%)
発行日:2024年5月23日
版型:A5版
ページ数:360頁
ISBN:978-4-502-50221-7
中央経済社の書籍紹介ページはこちら

文:M&A Online

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