コロナ禍以降、収益改善が見込めないANAPは、2022年10月にDX支援などのコンサルティングサービスを提供するピアズと資本業務提携を行います。ANAPは同年7月に大阪府で開催されたNFT展示会に出展し、ANAPの二次創作作品を展示するなど、メタバース領域にいち早く参入したファッションブランドでした。
ピアズとの資本提携により、インターネット販売事業による収益効果の増大、メタバース事業の促進を図ろうとしていました。
このとき、普通株式50万株をピアズに新規で割り当て、1億6,700万円を調達しています。新株予約権も同時に発行し、総額で7億円弱を調達。広告宣伝費などに充当する計画でした。
ANAPの株式は2022年10月ごろは300円台後半で取引されていました。しかし、2023年4月に債務超過に陥ったことがわかると、株価は300円を下回る日が続きます。
ANAPはピアズに割り当てた新株予約権を2023年6月に取得して消却。更にピアズとの資本業務提携契約を解消し、保有していた普通株式の全てをネットプライス(東京都港区)に譲渡しました。
ネットプライスはECプラットフォームを展開する会社。ANAPは同社と資本業務提携契約を締結しました。ネットプライスから取締役を1名派遣し、定時株主総会にその候補者を含んだ取締役選任議案を上程する予定です。
ANAPは今期7億円以上の純損失を見込んでいるため、増資や新株予約権の発行による資金調達は避けられないでしょう。増資をネットプライスが引き受けるとすれば、支配力・影響力が強まります。ECのノウハウに長けた企業とタッグを組むことにより、会社を成長軌道に乗せることができるのか。注目が集まります。
麦とホップ@ビールを飲む理由
東芝は8日、国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が主導する株式公開買い付け(TOB)について、TOBが開始された場合、株主に対して応募を推奨することを決議したと発表した。