能美防災は総合防災機器のトップメーカーの地位を築き、業歴は100年を超える。自動火災報知機や消火設備を国産化したパイオニアでもある。その長い歴史を持つ同社だが、実は、M&Aへの本格的な取り組みを始動させたのはここ数年のことだ。
「2018年度に向けて(M&Aなどで)戦略投資として1兆円を投じる」 パナソニック<6752>の津賀一宏社長は2015年度の事業方針発表会で、こう高らかに宣言した。2011年に陥った業績不振から脱却し、創業100周年となる2018年からは再び成長軌道を描ける企業に変身させるのが狙いだ。これまで戦略投資は着実に実施しており、あとは現在の事業計画の最終となる2018年1年を残すのみとなった。パナソニックの成長力を左右する2018年のM&Aにはどのようなドラマが隠されているのか。投資家のみならず、多くの関係者の視線が自ずと集まる。
ソニ-が自動車会社になる日は訪れるだろうか。2020年までの3年間は安定した収益が見込める楽曲著作権で支え、その後は車の自動運転で利益を生み出そうとするソニーの戦略が見えてきた。初の商品を多く生み出してきたソニーだけに期待は大きい。
世界シェア首位のイメージセンサー事業で復調のソニー。80年代の巨額買収、時代に合わせた商品開発。ここまでの好調、低迷、そして復活までを振り返る。
アルプス電気は傘下のアルパインと2019年1月に経営統合する。当初予定より期日を3カ月前倒しする。グループ内再編とはいえ、電子部品と車載情報機器を主力とする上場企業同士の大型M&A。新体制への移行でグループ売上高1兆円の実現に弾みがつくか。
カセットテープのトップブランドだった「マクセル」。カセットテープは今も使われているが、最盛期に用いられた音楽録音用媒体としては次々に登場する新しいメディアに主役を奪われた。カセットテープの凋落後、マクセルは波乱万丈の歴史を刻むことになる。
横河電機が1兆円企業に向けてM&Aにアクセルを踏み込んでいる。社会に貢献し影響力を高めていくためには存在感のある企業であることが必要との考えに基づき、M&Aを積極化させているのだ。
フェローテックホールディングスは、1980年に米フェローテックの日本子会社として設立されたが、半導体大国だった当時の日本市場で業績を伸ばし1987年に独立した。豊富な資金力を背景にM&Aにも積極的に取り組んでおり、事業拡大につながっている。
オプテックスグループのM&A戦略が軌道に乗ってきた。遠赤外線式自動ドアセンサーを世界で初めて実用化した同社は、いまやセンシングソリューションとインダストリアルオートメーションを柱とするグローバルニッチ企業へと進化した。その原動力がM&Aだ。
ソフィアホールディングスはM&Aで事業の多角化と成長を目指してきた。ITや調剤薬局で積極的な買収を実施し、企業価値向上を図っている。ただ、同社のM&A戦略は単純な成長軌道を描いてきたわけではない。そこには選択と集中の苦悩と試行錯誤があった。
「CASIO」といえば「G-SHOCK」というイメージが強いだろう。だが、カシオ計算機<6952>を一躍有名にしたのは社名にある通り「計算機」、いわゆる電卓(パーソナル計算機)だ。昭和の高度経済成長期、オフィス業務の電算化(デジタル化)の波に乗って急伸した。
電子部品メーカーのローム<6963>がパワー半導体事業で攻勢をかけている。パワー半導体の大手である三菱電機<6503>や東芝<6502>もSiCの育成に力を入れており、今後各社の競争が激しくなりそうだ。
京セラ株式会社<6971>は、鹿児島県出身の稲盛和夫氏(現名誉会長)がファインセラミックス製造業として、京都の地に「京都セラミック株式会社」として設立したのが起源である。稲盛氏は経営管理手法「アメーバ経営」を広め、JALの経営再建についても手腕を発揮した。今回は同社のM&A戦略を含めた成長戦略について検証する。
京都に本社を置く電子部品メーカー、村田製作所。積層セラミックコンデンサを始め世界シェア1位の製品が売上高の8割を占めるという超優良企業だ。スマートフォン市場の拡大で飛躍的な成長を遂げ、M&Aも駆使して自動車、医療、エネルギー分野に展開する。
双葉電子工業は蛍光表示管(VFD)、有機ELディスプレー、タッチセンサー、複合モジュール、産業・ホビー用ラジコン機器などの電子デバイス製品や金型用器材、生産器材などを手がける製造業。これだけ幅広い製品を提供できるようになった理由はM&Aだ。