上記のうち、注目すべき金融機関をいくつか挙げておこう。
まず米沢義社は米沢藩旧士族の銀行であり、明治初期の廃藩の際に君主上杉茂憲からの寄贈金で創設されたという。その後、米沢上杉藩の財産を管理運営する会社として営業し、1916年まで存続した。明治中期には銀行として登記されている。明治期に浸透した庶民金融、銀行類似会社の有力筋の1社といえる...
大分銀行は1892年12月に設立された。その後、大分貯金銀行、豊岡共立貯蓄銀行、豊岡実業銀行、別府銀行などを合併し、地域金融機関としての基盤を確固たるものとしたのは、1927年、二十三銀行を合併したことによるといっていいだろう。
“ご当地銀行”の合従連衡史の2回目は、沖縄。沖縄には琉球銀行と沖縄銀行の2つの有力地銀があるが、ここでは琉球銀行を取り上げよう。琉球銀行は現在の日本政策投資銀行、日本政策金融公庫のように、特殊法人の政策金融機関、特殊銀行として設立された。