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【SBSホールディングス】5年間で売上を8倍にした物流ベンチャーのM&A戦略とは?

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運送業でのM&Aはシナジーが取りやすい

 運送業は、運送業に必要な顧客・車両・ドライバーの3点がそろって獲得できるM&Aによるシナジーが非常に取りやすい業態の一つだ。なかでも大きいのは、昨今業界全体が不足に悩むドライバーの確保だ。近年運送業界で競争状態を巻き起こしている3PLにおいて、直受の荷主の獲得というメリットも大きい。新たな拠点が加わることでネットワークが広がり、さらなるシナジーも期待できる。

 SBSホールディングスがまさにその好例である。3PLを取り巻く競争の中で、顧客の拡大や、自社リソースの拡大を、M&Aで賄ってきた。広告の郵送業務を担うことを目的としたぱむとの資本業務提携(05年)や、日本レコードセンターの買収による倉庫の獲得(11年)がその主たる事例と言える。

リストラをしないM&A。目標は業界5位以内

 SBSホールディングスが行うM&Aでは、基本的にリストラは行っていないように見受けられる。内部の採算化は、内部の社員・パートの人員采配や新規営業で賄えるまで成長させる方針だろう。

 一方近年、同社のM&Aの矛先は海外へと向けられている。11年のAtlas Logisticsを皮切りに、対中国への関係強化をにらんだ12年のゼロの株式の買い増し、そして14年のインドのTranspole Logisticsなど、アジア圏での展開を強化している。また、マーケティングや金融、不動産にまで事業の幅を広げ、運送を軸としたあらゆるアウトソーシングに対応できるよう体制の強化を続けている様子がうかがえる。

 SBSホールディングスの売上高を見ると、リーマンショックにより大きく打撃を受け、その後順調に回復しているものの、未だ07年12月期の売り上げを超えるに至っていない。鎌田社長が目標とする運送業界の上位5社入りへ向け、今後どのようなM&Aを仕掛けていくのか注目される。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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