西武安比奈線と同じように、敗戦後、日本の近代化に歩調を合わせていた路線が「東京都水道局小河内線」—— 俗にいう水根貨物線である。JR青梅線の終点奥多摩駅から奥多摩湖畔までの約6.7キロの路線。山裾を縫うような急カーブ、それぞれ二十数本ものトンネルやさまざまなタイプの橋梁が連続している。
この路線は、正式名称に「水道局」とあるように、小河内ダム建設のための資材運搬のために建設されたものだ...
鉄道王・堤康次郎が武蔵野鉄道の支配に乗り出した。武蔵野鉄道の大株主となった堤は、配下の者を経営陣として送り込み、武蔵野鉄道の経営再建に乗り出す。ともかくも成功を収めた堤は、前編で述べた「旧西武鉄道」との競合・対立を、合併によって乗り越えた。