最後に2019年の年忘れ放言として、ひとつアイデアを述べたい。妄想だと思ってご笑覧いただきたい。デュアルクラスは確かに起業家の横暴を許しかねないスキームだが、筆者はきちんと制度設計すればコーポレートガバナンスとイノベーションのバランスを、より精緻に設計し得ると考えている。例えば「サンセット条項」という仕組みだ。
これはデュアルクラスに有効期限を設けるやり方で、デュアルクラスが許容された後に議論となる最大の条項の一つ...
投資ファンドは「1株1議決権」を前提として、株主権を存分に行使してリターンの最大化を目指す。ある意味、米国株主資本主義を究極まで純化した存在といえる。その投資ファンドが自らは一般株主の権利を著しく制限する特殊な議決権構造を採用しているのだ。