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コスモと激しい応酬を繰り広げるシティインデックスイレブンスとは?

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(Photo By Reuters)

コスモ経営陣に「僕はもちろん全員の首を切りにいきます」と言い放つ村上氏

シティインデックスイレブンスは、2023年2月22日に公開した「3 月 23 日に発表されるコスモエネルギーホールディングス株式会社の第 7 次連結中期経営計画に関する弊社の考え方について」において、コスモのPBRが1倍以上になることを強く望んでいると記しています。

シティを含む旧村上ファンド系が重視するのがPBR。2023年に入って東証がPBR1倍割れを是正する要請を出したことから、今後の活動にも弾みがつくのは間違いありません。

シティは継続的にPBRが1倍を割っている上場企業は、本質的な企業価値向上に対する取り組みを早急に進める必要があるとし、コスモに対して資本政策の推進と再生エネルギー事業のスピンオフを進言しています。

コスモは総額320億円の転換社債が株式に転換されたことにより、発行済株式が増加。純資産額は2022年12月末時点で6,559億円となりました。シティは主力の石油事業において、急激な原油価格の下落や円高があったとしても、見込まれる純損失は1,500億円程度であり、自己資本目標額は5,000億円程度が最大との考えを示しました。

それを超える余剰自己資本は株主に還元することを求めています。

また、コスモが再生エネルギー事業についての説明責任を果たしていないといいます。コスモは再生可能エネルギー事業の売電量や陸上、洋上風力の稼働状況などを公表していますが、シティは投資基準、採算基準など株主にとって必要な情報が足らないというのです。

※決算説明資料より

再生エネルギー事業がグループ傘下にある限り割安なPREでしか評価がされないため、スピンオフを求めました。再生エネルギー事業の2022年3月期のセグメント利益は35億円。コスモのPERで評価すると60億円程度に留まるものの、スピンオフをすると理想的には25倍程度で評価されるため、2,450億円の評価額を目指すことができるとしています。

コスモの経営陣はこの要請に猛反発しています。2023年1月11日に大規模買い付け者以外の株主へ新株予約権の無償割当を行う買収防衛策を導入しました。

2023年3月23日に公開した「株式会社シティインデックスイレブンスらとのこれまでの対話の経緯 及びスピンオフに関する当社の考えについて」では、シティが終始一貫して建設的な提案を継続してきたかのように振舞っていると批判しました。

公開した資料には、村上世彰氏が中心となって展開される対話の内容が生々しく記録されています。村上氏はコスモの株式を20%以上取得することを一方的に宣言しました。それをコスモの経営陣が止めようとすると「今年の株主総会で買収防衛策をかけてください。それで結構です。ただ、やるのなら血みどろになっちゃいます。短期的な買収防衛策をやられたら僕はもちろん全員の首を切りにいきます」と脅し文句を並べたといいます。

■シティインデックスイレブンスとの対話の一部

※「株式会社シティインデックスイレブンスらとこれまでの対話の経緯及びスピンオフに関する当社の考えについて」より

コスモ側はシティが印象操作を行っていることを問題視し、他の株主に対して適切に判断することを求めました。

また、再生エネルギー事業においては、潜在的な成長力をマーケットで適切に評価されること自体には異論がないものの、スピンオフをすることよりもグループ傘下で経営資源を集約することが企業価値最大化につながるとしています。

事業規模も成長途上にあり、独立することによって成長できる会社ではないとの認識も示しました。

シティは2022年11月15日にコスモ株を1.1%買い増し、保有比率を19.81%まで引き上げていました。

買収防衛策を導入して反発したのは、ジャフコと全く同じ反応です。ジャフコは3カ月ほどで共同歩調をとるようになりました。シティとコスモはどこで決着をつけるのか。注目が集まります。

【訂正とお詫び】記事中に「シティインデックスイレブンスは、レノ(東京都渋谷区)、エフィッシモ・キャピタル・マネージメント(シンガポール)などの資産運用会社と連携して投資をするアクティビストファンド」とありましたが、エフィッシモ社より「事業の開始以来、シティインデックスイレブンス、レノ、村上世彰氏、その他の村上氏が支配する会社などとの間にいかなる資本関係、人的関係、取引関係、協力関係も有しておらず、連携して投資をしたという事実もありません」との指摘を受けました。事実誤認がありましたので、該当部分を削除します。関係者ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

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