トップ > ビジネスと経済 > 政治・経済 >重点3本柱 M&Aを促す新ファンド組成へ 内閣官房WG

重点3本柱 M&Aを促す新ファンド組成へ 内閣官房WG

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

2022年度予算案の概算要求に照準

内閣官房は6月23日、「中堅企業等の成長促進に関するワーキンググループ」の第2回会合を開いた。2022年度予算案の概算要求もにらみ、「事業再生・M&Aを含む事業承継の促進」など重点3本柱の取組方針のフォローアップと今後の取組方針などを示した。

2021年1月に初会合を開いたワーキンググループでは、2022年度予算案の概算要求などにつながる取り組み方針の具体的な内容を検討・実施することを確認。2020年10月以降に全国6都市で開催した地方説明会で挙げられた課題の解決も検討していくとした。

第2回会合では、関係省庁の新たな具体的施策方針を提示。「事業再生・M&Aを含む事業承継の促進」について、経済産業省は中小機構の出資で2020年度に5件を組成した経営力強化支援ファンドの新たな設立提案を公募する方針を表した。第三者承継も含めた事業再生と成長を支援するもので、各ファンドは設立後1年以内に10件程度の出資案件の決定を目指す。

金融庁も、地域経済活性化支援機構(REVIC)と地域金融機関の連携も見据えたファンドによる資本性資金の供給などを進め、事業統合などによる採算性向上を後押しする。これらの支援を通じて地域金融機関などへのノウハウ移転を進め、地域における自律的な事業承継支援能力などの向上も図る。

事業承継・引継ぎ支援センターの機能強化も

また、経済産業省と金融庁は2021年4月に中小企業庁が取りまとめた「中小M&A推進計画」に関し、地域金融機関を含むM&A支援機関と中小企業庁の事業承継・引継ぎ支援センターの連携強化や情報共有などを進める。

事業承継・引継ぎ支援センターに関しては民間事業者などとの連携を強化し、業務の標準化や人材育成による機能強化を推進。連携を希望する民間M&Aプラットフォーマーと事業承継ニーズの掘り起こしにも力を入れ、事業承継計画の策定を支援する。2021、22年度は現行の事業承継診断を抜本的に見直し、事業承継も含めて企業価値の維持・向上を意識した経営を促す企業健康診断へと充実させる。

このほか、M&Aの知識や経験に乏しい中小企業もM&A支援機関からの提案などの妥当性を判断できるよう、経産省は2021年度中に企業価値評価ツールの提供を試行する。事業承継と経営資源の集約化に関する予算・税制の活用を促すための集中的な広報も想定している。

重点3本柱とは

重点3本柱は2020年9月、内閣官房の「中堅企業等施策に関する関係府省会議」で決定。2021年度予算案を踏まえた各種施策の実施状況のフォローアップと、さらに検討・実施していくべき施策の論点を整理した。

「事業再生・M&Aを含む事業承継の促進」をはじめ、「若手人材のUIJターン等の人材の確保・育成の支援」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)、研究開発、海外展開等の新たなビジネスの展開」の3つで構成されている。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
重点3本柱の取組方針のフォローアップと今後の取組方針(案)siryou1.pdf (kantei.go.jp)
中堅企業等支援に関する今後の取組方針(案)siryou2.pdf (kantei.go.jp)

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5