TOB(株式公開買い付け)の不成立が連続している。しかも、TOB不成立となった直近3件はいずれも対抗TOBの企てによって「待った」がかかった案件だ。
第一生命ホールディングスがM&Aに積極的だ。収益強化のために取り組んでいるのが、国内では伝統的な生命保険を中心とした保障領域に止まらず、「非生命保険」「生活の質(QOL)の領域」での商品・サービスの拡大。一方、生命保険事業の成長への活路は、アジアや米国などの海外市場に見出した。
2023年12月のM&A件数(適時開示ベース)は122件と前年を38件上回った。年間累計は1068件で、16年ぶりに1000件の大台に乗せた。12月の取引金額は4兆1226億円。日本製鉄は2兆円超で米鉄鋼大手USスチールの買収を発表した。
2023年のTOB(株式公開買い付け)戦線が終盤を迎え、突如、波乱含みの展開となった。医療情報サイト運営のエムスリーによるTOBが進行している福利厚生代行のベネフィット・ワンに、第一生命ホールディングスが対抗TOBの予定を発表したからだ。
2022年8月のM&A(適時開示ベース)は73件と前年同月を8件上回った。8月として70件を超えるのは2019年(同数の73件)以来3年ぶり。海外案件が今年最多の月間21件に上ったことが件数を押し上げた。1~8月累計は前年同期比15件増の588件と高水準を維持している。
2021年8月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比6件減の62件となり、5月から4カ月連続で前年を下回った。4カ月連続の減少は昨年8~11月以来。1~8月の累計は前年同期比12件増の571件で、4月までの“貯金”が奏功し、2008年(602件)以来13年ぶりの高水準を保持している。前月(7月)比では同数だった。
2019年上期(1-6月)のIT・ソフトウェア業界のM&Aは件数が61件で、金額は6195億円となった。2008年以降では、件数は3番目、金額は2番に高い水準となった。
第一生命ホールディングスが海外事業を急拡大中だ。国内需要が縮小する中、成長シナリオとして描いたのがM&Aを軸とする海外戦略。米国やベトナム、豪州で有力生保を次々に傘下に収め、日本、北米、アジア・パシフィックの3極体制をいち早く構築した。
M&A関連の企業発表が2018年も1月早々から連日続いている。このうち経営権の取得を伴う買収・子会社化の案件は東証の「適時開示」ベースで44件(M&A Online編集部集計)。6000億円超の大型M&Aや、買収資金の一部に仮想通貨を充てるレアなケースもあった。
旧村上ファンド勢力が日本の証券市場を再び震撼させている。「もの言う株主」として企業に大胆な提案を突きつけて最大限の利益を引き出す彼らを、人は「株主権利の守護者」とも「ハゲタカ」とも呼ぶ。その評価はさておき、彼らの「ビジネス」は成功するのか?