新型コロナにオミクロン株発生、そもそも「オミクロン」って何?

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次々と登場する新型コロナウイルスの変異株(写真はイメージ)

中国への「過度な配慮」との批判もあるが…

このうち「ニュー」は英語の「新しい」と発音が似ているため、「ニュー株」では「新株」と誤解されやすいとしてスキップ。もう一つの「クサイ」は中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の姓と同じ表記になるため避けたという。

米国の対中強硬派からは「中国への過度な配慮だ」との批判もあるが、コロナ禍の米国で日本人を含むアジア人が「コロナを拡散させた中国人め!」と襲撃される事件が相次いだ。そうした民族憎悪をかきたてかねない命名はよくないとのWHOの判断はもっともだろう。

「オミクロン株」で分かっていることは約50カ所の変異があり、そのうち30カ所以上がウイルス表面の突起部で人の細胞に入り込む「スパイク」というたんぱく質にあるという。そのため感染力が増す可能性がある。

南アでは1人の感染者が何人に感染させるかを示す実効再生産数が「オミクロン株」で1.93と、同国全体の1.47よりも高いと報告されている。だが、調査されたのはわずか77検体と少なく、実際の感染力がどれほどなのかは未知数だ。さらに従来のウイルスが効くのかなどの調査結果は、早くても12月中旬以降でなければ判明しないという。

VOIやVUMのうち、感染力や重症化する可能性が高いと判断された変異株が「懸念される変異株(VOC)」となる。これまでに「アルファ株」「ベータ株」「ガンマ株」「デルタ株」があり、11月26日に「オミクロン株」が加わった。まだ正体は分からないとはいえ、最大限の警戒が必要なことだけは間違いない。

文:M&A Online編集部

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