食べるM&A キリンビール クラフトビール市場に異変あり
若者のビール離れ、「とりあえずビール」文化の崩壊…。「ビール=苦い」という固定概念を取り払おうと、キリンビールはビールの多様性や個性が楽しめるクラフトビール事業に本格的に乗り出します。
スシローはお寿司だけでなく、親会社も目まぐるしく「回転」してきました。2007年に投資ファンドのユニゾンキャピタルと資本業務提携し、2009年に株式を非公開化しました。そして2012年にユニゾンが英投資ファンドのペルミラに株式を譲渡しました。
スシローの親会社になったペルミラは元日本航空副社長で外資系コンサルティング会社で企業再生を手がけた水留浩一氏を社長に送り込みました。2015年9月期の売上高は1350億円と2012年9月期(1113億円)から約2割増えました。買収ファンドは3~5年程度で株式を転売して利益を上げるのが一般的。ペルミラはそろそろ投資回収のタイミングを探っているとみられます。
買収候補として浮上しているMBKパートナーズは米カーライル・グループ出身者によって設立された、韓国系のプライベートエクイティファンドです。日本でもユニバーサルスタジオジャパンやコメダ珈琲店などにも投資実績があります。
こうした中で、MBKはスシローの韓国などアジアにおける回転寿司市場の成長性に着目しているのではと推測できます。一部報道で買収観測が浮上したことに対して、当のスシローは「当社といたしましてはそのような事実は一切確認いたしておりません」と否定するコメントを出しました。買収の真偽は不明ですが、MBKは韓国や香港に拠点を持つだけに、今後アジア展開を強化するにはスシローにとって悪くないパートナーといえそうです。
もし韓国ファンドによる買収が実現すれば、日本人にとっても身近な旅行先の韓国でスシローをお目にかかることも増えるかもしれません。日本食の海外への普及にもプラスとなりそうです。
取材・文:M&A Online編集部
若者のビール離れ、「とりあえずビール」文化の崩壊…。「ビール=苦い」という固定概念を取り払おうと、キリンビールはビールの多様性や個性が楽しめるクラフトビール事業に本格的に乗り出します。