外資系金融機関を知るシリーズの第13回は、英スタンダードチャータード銀行です。世界的な金融グループですが、最大の特色はアジア、アフリカ、中東で圧倒的な存在感を発揮していることです。その理由は生い立ちに由来します。日本とのかかわりは1880(明治13)年に横浜に駐在員事務所を開設したのが始まりで、戦後も1949(昭和24)年に支店業務を再開し、今日にいたります。

アジア・アフリカ・中東で150年を超える歴史

ロンドンに本拠に置き、世界約70カ国・地域に1600拠点を超える事業ネットワークを誇ります。アジア、アフリカ、中東で150年以上の歴史を持ち、これら地域がグループ収益の約9割を占めるといいます。株式の上場先もロンドン証券取引所のほか、香港証券取引所、ムンバイ証券取引所、インド国立証券取引所にアジアに集中しています。

スタンダードチャータード銀行は1969年に、スタンダード・バンク・オブ・ブリティッシュ・サウス・アフリカ(Standard Bank of British South Africa)と、チャータード・バンク・オブ・インディア・オーストラリア・アンド・チャイナ(Chartered Bank of India、Australia、and China)が合併して誕生しました。その名が示す通り、いずれも大英帝国時代の植民地政策の一翼を担った銀行だったのです。

スタンダード銀行は1862年に発足し、英領南アフリカのポートエリザベスに最初の店舗を開設。1910年代にはアフリカ全土に支店網を拡大しました。アジアにも業務を広げ、日本には1880年に進出し、横浜に駐在員事務所を設けました。

香港3大発券銀行の一つ

一方、チャータード銀行の発足は1853年。英領インドのカルカッタとボンベイに支店を開設したのに続き、上海、香港、シンガポールに進出し、基礎を固めました。もちろん、豪州も守備範囲です。1862年には香港での紙幣発行銀行となりました。現在のスタンダードチャータード銀行も、同じく英国の海外銀行で香港発祥の香港上海銀行(HSBC)、中国銀行(香港)と並んで香港ドルの3大発券銀行としての役割を担っています。

チャータード銀行も日本には1880年に最初の拠点を横浜に置きました。今も神戸の旧外国人居留地に残る旧チャータード銀行神戸支店(1938年完成)は近代建築遺産として知られ、観光名所にもなっています。戦後の1949年、日本での支店業務を再開したのはチャータード銀行の方です。

さて現在、日本での活動状況はどうでしょうか。