外資系金融機関を知るシリーズの第11回は、香港上海銀行を中核とする世界的な金融グループの英HSBCです。HSBCは香港上海銀行の略称(The Hongkong and Shanghai Banking  Corporation)に由来します。その行名が示す通り、英国植民地下の香港を発祥とし、英スタンダードチャータード銀行、中国銀行(香港)と並ぶ香港ドルの3大発券銀行の一つです。

日本とのかかわりは明治維新直前の1866(慶応2)年に横浜支店を開設したことに始まり、近代国家への仲間入りを目指す日本を貿易や外国為替など国際金融面からサポートしてきた歴史があります。

香港上海銀行、近代化を目指す明治期の日本で重要な役割担う

日本における本拠(東京・日本橋)

香港上海銀行は英国の植民地政策の一翼を担う国策銀行として1865年に香港を本店、英の共同租界があった清の上海に支店を置き、開業しました。その翌年に早くも日本に進出し、横浜に支店を設けたわけです。その後、神戸、大阪、長崎にも支店網を広げ、明治期に日本で最も存在感を発揮した外国銀行といわれています。

1871年に新貨条例が制定され、「円」が誕生した際、金銀通貨の造幣に協力したのはほかならぬ香港上海銀行。日本で初めての外為専門銀行として1880年発足した横浜正金銀行(後の東京銀行。現在の三菱UFJ銀行)が模範としたのも同行だったとされています。また、日露戦争の戦費調達にかかる外債発行では同行に頼るところが大きかったといいます。第2次大戦後は1947年に東京と神戸で営業をいち早く再開しました。

すでに150年を超える歴史を持つ香港上海銀行ですが、1991年に、その持ち株会社としてHSBCホールディングスをロンドンに置きました。傘下の香港上海銀行も1993年に本部をロンドンに移しました。1997年に予定されていた香港の中国返還をにらんだ動きでした。香港上海銀行は欧州最大の金融機関として、アジア・太平洋、南北アメリカ、中東、アフリカにまたがる70近い国・地域に約3900拠点を持ち、総資産は2兆4920億ドル(2017年6月末)。

銀行、証券、資産運用の3社が活動

日本国内では香港上海銀行(東京・大阪支店)、HSBC証券(東京支店)、HSBC投信(日本法人)の3社で活動しており、東京・日本橋に本拠地を置いています。法人向け業務や投資銀行業務を主体とし、現在、個人向け業務は手がけていません。具体的には、資産運用、貿易サービス、プロジェクト・輸出ファイナンス、キャッシュマネジメント、M&A(企業の合併・買収)、為替、債券・資本市場、証券関連サービス、カストディサービス(証券保護預かり)など、多岐にわたる金融サービスを提供しています。