▼過去5年の資金調達状況

年月調達額出資元
2018年10月50億円海外需要開拓支援機構
2018年6月2億円三菱UFJ銀行
2018年1月9億9994万円非公開
2017年11月16億円トヨタ紡織など
2015年10月95億8416万円ゴールドウインなど
2015年3月9億5850万円地域の協力企業など
2014年11月25億5000万円東北イノベーションキャピタルなど
2013年5月8億円非公開

2018年10月の段階で、資金調達総額は224億4366万円となりました。官民双方から熱い視線を受けています。現在の100倍の生産能力を持つ工場新設で、いよいよクモの糸プロジェクトは大詰めを迎えようとしています。

ゴールドウイン・スパイバー
汎用性の高いクモの糸


クモの糸の市場規模は数千億円に

タイの大量生産工場は2021年に本格稼働を開始し、年間数百トン規模の生産を予定しています。クモの糸が実用化される分野として、以下のようなものがあります。

分野キーワード
輸送機器軽量化、安全性向上、脱石油化
建築安全性向上、耐震
電子機器耐衝撃性、植物化
衣料安全性、耐衝撃性

スパイバー資料より

クモの糸は数千億円規模の市場創出効果があるとされています。輸送機器を軽量化して燃費を低減し、プラスチックを排除してCO2を削減、日常生活の安全を守る素材になるという、まさに夢の材料です。大量生産化が成功したときの、ビジネス界に与える衝撃ははかり知れません。

気になるのは競合の動き。米カルフォルニア大学出身者によるスタートアップ企業「ボルトスレッズ」は、2018年1月に1億2300万ドル(およそ138億9900万円)の資金調達を実施しました。同社はすでに5000万ドル(およそ56億5000万円)を調達しており、アパレルへの転用を猛スピードで進めています。

また、アメリカ軍も軽量かつ強靭性の強いクモの糸に注目しており、防弾チョッキなどへの転用に向けた研究を重ねています。

スパイバーが、世界に先駆けてクモの糸提供企業としての地位を確立したとき、素材業界に地殻変動を起こすほとのインパクトを与えます。

IPO間近、との声も聞こえてきますが、上場して株主対策に心血を注ぐのは、この段階では不毛。むしろ、資金を呼び込むだけ呼び込み、研究開発と設備投資に力を注いでほしい会社です。

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