「TOBってなあに? もうかるの?」 第2回

※この記事は公開から1年以上経っています。
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TOBの論点その2 「のれん」って?

 買収価格は「のれん」とも裏腹の関係にあります。買収価格が売買対象の純資産時価よりも高ければ「のれん」が大きくなりますし、その後、買収側の会社の業績にも与える影響が大きいのです。

 参考:「企業結合に関する会計基準 」
 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/ket...

 もしも償却する方法を採用するならば、営業利益を押し下げかねませんし、買収した後に業績が下がれば、のれんの減損の問題も出てきます。

 東芝のように償却をしない方法であっても減損の問題は出ますし、株主さんから「あの、のれん、大丈夫?」と思われたりもしますしね。

 参考:「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針 」
 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/imp...

 いずれにせよ、イオンディライトの例では、300円台の株価が800円になるというのですから、これらのプレスリリースがされる前の「企業価値算定」や「打ち合わせ」などの作業は、インサイダー情報なのです。

 もし「800円で売れる」と分かっていたら、フツーは買っちゃおう! と思いますよね。作業に携わる人たちは、ずっと・・・周囲にばれないように・・・情報が漏れないように・・・(フゥ)計算しなければなりません。

 それに通常、このような案件は何カ月も前から進行しています。もちろん会計面や税務面だけでなく、資金の検討も必要ですし、場合によっては公正取引委員会 の審査などが必要なケースもあります。ですから、無事にプレスリリースが出てホッとしたことでしょう。このような事案には、必ず陰で頑張っている裏方さん達がいるのです。

 本日はここまで。次回は「全部買い取ってもらえないバージョン」についてお話しますね。

「TOBってなあに? もうかるの?第1回目、TOBの実例」を読む


[著]節税ヒントがあるかもブログ メタボ税理士さん
[編集]M&A Online編集部
本記事は、「節税ヒントがあるかもブログ」に掲載された記事を再編集しております。
原文をお読みになりたい方は、こちらから
http://ameblo.jp/h-k-tax/entry-12090046068.html

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