確かに円安は進行している。3月16日には前日比40銭円安ドル高の同118円37銭〜38銭で取引された。これは17日未明に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを発表するとの見通しから、金利の低い円を売って利回りが高いドルを買う動きが強まったため。
かつては「有事の円」と言われ、リーマン・ショックが発生した2008年9月から12月にかけて20円31銭の円高ドル安に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による最初の感染爆発が起こった2020年1月から3月にかけては5円94銭の円高ドル安になった。ところがロシアによるウクライナ侵攻下で円安に見舞われ、「有事の円」は過去のものになった。
日本はデフレ脱却が見通せずゼロ金利政策は継続される見通しで、円高に触れる可能性は低い。アップルが急速な円安を見越して、iPhoneの価格為替レートを円安にスライドするのも無理のない話だ。今後も新商品の値上がりが懸念される。
例えば今年秋に発売される「iPhone14 Pro」の米国価格が現行機の「iPhone13 Pro」と同じ999ドルに据え置かれても、価格為替レートがSE3と同じ1ドル=135円で設定された場合、14 Proの日本価格は13 Proの12万2800円から1万2000円以上も値上がりして13万4865円になる計算だ。日本のユーザーにとっては頭の痛い問題になるだろう。
文:M&A Online編集部
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