【クレディ・スイス】知っているようで知らない、外資系金融機関まとめ<3>

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1970年代から日本に進出。2006年に日本法人を設立

日本での拠点を置くビル(東京・六本木)

 日本では、クレディ・スイス証券、クレディ・スイス銀行東京支店を拠点としています。1972年、東京に駐在員事務所を置いたのが始まりです。いくつかの変遷を経て、2006年、クレディ・スイス証券が日本法人として営業開始(それ以前は日本支店)し、投資銀行、アセットマネジメント、プライベートバンキングの主要3業務すべてを展開しています。一方、クレディ・スイス銀行東京支店は1977年に開設し、現在、プライベートバンキングを中心に銀行業務を手がけています。

 このうち日本国内でのプライベートバンキングの取り扱いは2009年にスタート。外資系金融機関としては後発の部類ですが、口座を開設できるのは何と金融資産10億円以上の資産家からで、この点が通常の銀行とまったく異なるといえるでしょう。2012年に英HSBC(香港上海銀行)の日本でのプライベートバンキングを継承し、顧客基盤が厚みを増しました。顧客にはオーナー経営者が少なくなく、資産運用にとどまらず、M&Aや事業承継のサポートを行っています。

日本での展開 代表者
クレディ・スイス証券 CEO・社長  マーティン・キーブル氏
クレディ・スイス銀行東京支店 在日代表     マーティン・キーブル氏
  支店長    市東 久氏

M&Aで存在感を発揮。北越製紙の敵対的買収阻止で名を上げる

 投資銀行業務の花形であるM&Aのアドバイザリー業務では世界的プレーヤーの一員としての実力を随所に発揮しています。

 なかでも、クレディ・スイスが存在感を一躍高めたのは2006年のこと。その出来事とは日本企業同士で初めての本格的な敵対的買収とされた王子製紙<3861>(現・王子ホールディングス)による北越製紙<3865>(現・北越紀州製紙)へのTOB株式公開買い付け)です。クレディ・スイスが被買収側の北越製紙の単独アドバイザーを担当し、防衛に成功したのです。

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