今回の新製品発表の主役だった「iPhone13シリーズ」は、事前の予想通り小幅な変更に留まった。ラインナップも先代の「iPhone12シリーズ」と同じく「13」「13 mini」「13 Pro」「 13 Pro Max」の4本立て。販売不振で「廃盤説」が流れた「mini」も生き残った。
カメラやセンサーなどを配置する「ノッチ」とよばれる画面に食い込んだ部分は前モデルで20%小さくなったが、ディスプレーサイズは同じ。「13」「13 mini」は輝度が上がり、「13 Pro」「 13 Pro Max」はリフレッシュレートが120Hzに向上して動画などの動きがスムーズになった。
カメラは全モデルでセンサーシフト光学式手ぶれ補正や「シネマティックモード」などの新機能が追加されたが、相変わらず1200万画素のまま、カメラの数も「13」「13 mini」は広角、超広角の2個、「13 Pro」「 13 Pro Max」はそれに望遠を加えた3個で、前モデルと変わらない。
耐水性能も水深6メートルで最大30分間と前モデルと同じ(前々モデルの「iPhone11」は同2メートルで最大30分間だった)。ただ、CPUは最新のA15 Bionicに世代交代している。バッテリー駆動時間はいずれも前モデル比で「13 Pro」が5時間長い22時間、「13」が2時間長い19時間、「13 mini」が2時間長い17時間と伸びた。ストレージも最大容量が2倍に増えている。
前モデルに比べると地味にパワーアップしているが、即買いするほどの劇的な変化はない。iPhone13シリーズにプリインストールされる9月21日配信予定の「iOS15」は、2015年9月に発売された「iPhone6s」以降の全モデルで動くため、それ以前の超旧モデルでないのなら「様子見」という手もある。「iPhone14」は大幅な機能アップが見込まれる。「13シリーズ」は「待ち」でよいだろう。