2020年第3四半期の日本関連M&A公表案件は21.4兆円と前年同期から56%増加し1980年の集計開始以来歴代2位の規模となった。全体の案件数は3196件と過去最多となった。
2020年1~9月のM&A金額(適時開示ベース)は前年同期比倍増の9兆6860億円となり、2018年(11兆3255億円)に次ぐ過去2番目の高水準を記録した。1~9月の取引金額ランキングの上位30は次の通り。
2020年9月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比8件減の61件だった。前年を下回るのは2カ月連続。前月比では7件減った。新型コロナの状況下、1~9月の累計件数では前年と同水準を維持しているものの、足元では一服感が広がってきた形だ。
M&A Online編集部が大量保有データベースで2020年9月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、ファミリーマート、大戸屋ホールディングス、島忠などのTOB(株式公開買付け)関連銘柄に動きが見られた。
新型コロナ下、国内を舞台にまたもや超大型M&Aが持ち上がった。NTTは29日、4兆2544億円を投じて、携帯電話事業を手がける上場子会社のNTTドコモにTOB(株式公開買付け)を実施すると発表した。国内企業へのTOBとして過去最大規模だ。
67.0%の企業が事業承継を経営上の問題として認識しており、37.2%の企業が今後5年以内に事業承継を行う手段としてM&Aに関わる可能性がある。帝国データバンクの調べで、こうした実態が浮かび上がってきた。
ソフトバンクグループ(SBG)が傘下の英半導体設計大手のアーム(ARM)を手放すことになった。売却先は米半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)。その金額は最大4.2兆円に上り、日本企業が絡むM&Aで歴代2位となるビッグディールだ。
ベンチャーエンタープライズセンターがまとめた2020年上期(1~6月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期比26%減の747億円。投資件数も前年を20%下回った。新型コロナの影響下、投資減退につながったとみられる。
M&A Online編集部が大量保有データベースで2020年8月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏や、ZOZO元社長の前澤友作氏が商社やアパレル業界に投資していた。
2020年8月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比5件減の68件だった。前年を下回るのは4カ月ぶり。前月比では2件減った。新型コロナの影響下でも増勢が続いていたM&A市場が踊り場を迎えたかどうかを判断するうえで9月の動向が注目される。