新事業への挑戦の大きな第一歩が、創業60年を迎えた2013年10月に行われた麦の穂ホールディングスの買収だ。同社はシュークリーム専門店の「ビアードパパの作りたて工房」などのスイーツ事業や「古式讃岐うどん〜温や〜」などのレストラン事業を手がけ、「ビアードパパ」の業態をメインに中国や韓国、台湾といったアジアのほか、米国やカナダなどで積極的に海外展開をしてきた。買収時点でその店舗数は約200店。これらの海外拠点は、これまで国内市場に注力してきた永谷園にとって大きな魅力であったのは間違いない。買収金額は100億円近くとなり、永谷園創業以来の大型買収となった。
それまでの永谷園の海外事業はというと、米国でのテイクアウトの寿司事業や中国での製麺事業といったもので、売り上げは10億円にも満たないほどの規模。食文化の違いから、主力商品のお茶づけ海苔やみそ汁などが海外で受け入れられることは難しいとの見通しで、海外事業への投資には積極的ではなかった。しかし、同年12月には「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的な和食ブームや健康志向も追い風となり、永谷園にとって海外市場は大きなチャンスの場に変わったといえる。
若者のビール離れ、「とりあえずビール」文化の崩壊…。「ビール=苦い」という固定概念を取り払おうと、キリンビールはビールの多様性や個性が楽しめるクラフトビール事業に本格的に乗り出します。
甘く爽やかな味で老若男女に人気な乳酸菌飲料「カルピス」。カルピスは飲料としてだけでなく、M&A市場でも人気者でした。味の素からアサヒグループに親会社が交代し、販売や商品の面で統合が進んでいます。
春到来。花見や新生活スタートなどで集まって飲食する機会も多い。しかし、その席に並ぶお酒や食べ物、選んだお店がどのような戦略でM&Aを行い事業をのばしてきたのか。ふと思いを巡らせてみたい。