資金の流出を伴わずに事業再編やM&Aを実施する手法としては合併、会社分割、株式交換、株式移転など様々なものがあるが、現物出資もそうしたスキームの一つに数えられる。「モノを出資する」という特殊性から評価や税務の課題も見え隠れする。
自社株式を対価としたM&Aは制度上すでに可能となっているが、実務上は円滑な利用を阻む一定のハードルが存在する。2018年度(平成30年度)税制改正では、このハードルをなくし、先行する諸外国並みに利用しやすい環境整備を目指す。
米国長期金利の上昇傾向が鮮明となり、2018年2月に入るとそれを嫌気して米国株価が急落。日本の株価も連動して調整局面入りを思わせる推移を見せている。このような株価下落局面においては、「落ちるナイフ」銘柄へのTOBは手控えられるが、逆に「落ち切ったナイフ」といえる銘柄にはTOBが仕掛けられる可能性があると考えられる。
マグロ運搬船を運航する東栄リーファーラインをめぐるTOBが仕切り直しとなった。現経営者によるMBOだが、前回は株式が集まらず、TOBは不発に。それからひと月。買付価格を1株800円と約3割引き上げての再トライ。気になる旧「村上ファンド」勢の動きは?
2012年に「らでぃっしゅぼーや」を69億円で買収したドコモが、2018年1月末に10億円でオイシックスに売却すると発表。大失敗したドコモの誤算の原因は? そして買収戦略で市場の寡占化を進めるオイシックスに勝算はあるか?
政府は、自社株を用いたM&Aの規制を緩和する。売り手の負担となっている会社売却益への課税を繰り延べすることで、売却意欲を高めM&Aの活発化を図る。併せて買収手続きも簡素化し、手元資金が潤沢でないベンチャー企業もM&Aに取り組みやすくする。
東栄リーファーライン<9133>のMBOが不成立となった理由はなぜか。募集価格の算定が甘かったとは決して思わない。旧村上系ファンドの介入が、結果として株価が非常に割安でまだ将来的な成長が十分に見込めると多くの株主が思ったからではないか。
楽天の携帯電話キャリアの参入で、にわかに活気づいてきた携帯電話業界。今回は、携帯電話キャリアの大手3社のうち、au(KDDI)の現状をみていこう。
2017年M&Aの“アラカルト10選”! 編集部独自に話題、出来事をピックアップしました。
2018年度から株式対価M&Aに関する株式譲渡益への課税が繰り延べされる見通しとなった。実現すれば自社株を対価とした事業再編や、大型のM&Aが容易になるため、日本経済の活性化が期待できる。