M&AとPMIを用いた中小企業の治療法や再建手法をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、業績悪化に直面する企業が相次いでいる今、多くの企業の参考になりそうだ。
前回記事で「マイノリティー出資におけるPMIのさじ加減は相手と“両想い”か“片想い”かによって全く異なってくる」とお伝えした。では、どのようにして“両想い”か“片想い”かを見極めるのか。プレPMIの段階で留意すべきポイントを述べたい。
M&Aの失敗の要因が株式取得前の「前工程」にあるのか、それとも株式取得後の「後工程」にあるのか。マイノリティー出資の場合、前工程でつまづくと、後工程で巻き返すのは至難の業。マジョリティー出資のように資本の論理で突き進むことができない。
クレストホールディングスの望田竜太取締役が、中小企業の事業承継PMIでは「強い信念も持って、経営手法やデジタルツールを使いこなす知識と経験を多く持つことが必要」とアドバイスする。
M&Aといっても経営権の掌握にまで踏み込む「買収」だけではない。将来の買収を視野に入れつつ、マイノリティー出資してまず少数持ち分を取得にとどめることが多い。その場合も、PMI(M&A後の統合プロセス)と呼ばれる作業は必要なのか?
M&Aの原則は「大が小を呑む」であるが、格上相手を買収するケースもあるだろう。日本企業にありがちな問題といえば、海外M&Aの経験不足に加えて、自分たちが当該事業において格下であるという思いから、買収先へのコントロールが効かなくなることだ。
最終回となる7回目のテーマは「ポストM&A成功の7要素」。連載ではポストM&Aを成功に導くための知っていればすぐに役立つ、すぐに使えるような内容に焦点を当ててきた。今回はそれらも包含する、ポストM&A成功の全体像をまとめる。
M&Aに際して、親会社と子会社の間には、しかるべきルールが必要となる。本稿では、それを「子会社ガバナンス」と呼ぶ。買収後の子会社ガバナンスの方針をどう決めたら良いのか、要点を解説する。
海外M&Aには“誤算”がつきものだ。失敗の事例は枚挙にいとまがない。本書のタイトルにある「PMI」とはM&A後の統合プロセスのこと。海外企業の買収の場合、言語や文化の違いから、PMIのハードルは一層高まる。そのポイントを実践的に解説する。
みなさんの会社のM&Aに関連する稟議書にはこんなワードが使われていないだろうか。「XX事業基盤の構築」「XXとXXの融合」「XXを活用した更なる成長」…もうそうなら要注意。M&Aすること自体が目的化しているかもしれない危険信号なのだ。